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Re: 青春のメロディー【西宮中学校吹奏楽部物語】仮入部編更新中!  ( No.65 )
日時: 2011/12/22 22:40
名前: 華鈴 ◆NZJg9s3.DU (ID: lqooIEvM)

STORY14 仮入部期間最終日 茜said

今日は仮入部最後の日。
奇跡と偶然が重なり合ってできた出会いによって『吹奏楽』という存在を知った私が仮入部を始めて早1週間。
どうやら、これはあくまでも『仮』の入部であって、別に吹奏楽部に入らなくてもいいらしいが、私はもうどこの部活に入るかは決心している。
もちろん、吹奏楽部である。

「それでは皆さん。今日は私たちの合奏の様子を見学してもらいます」

部長の桜田先輩(だったっけ?)がそういって私たちを中に入れてくれた。

先輩たちはチューニングっていうやつの途中だった。
桜田先輩の説明によると、チューニングというのは副部長の藤本先輩の音を基準として音を合わせていくことらしい。
チューニングはパートごとにやるらしく、それぞれの楽器の音を改めてそれぞれ聞くことができた。

「先生、チューニング終わりました」
「じゃあ、音階。8拍でいきます」
「「「はい」」」

チューニングが終わったら次は音階。
人数が少ないせいか、なんだか少しさびしい感じがする。

「少ない・・・」

隣で葵が呟く。
多分、考えていることは私と同じなのだろう。
ド素人の私がお母さんとお姉さんが吹奏楽部で彼女自身も結構知識のある葵と同じことを考えていると知って(勝手に自己判断して)少しうれしくなった。

音階が終わった

「はい。じゃあ、『ありがとう』いきます」
「「「はい」」」

先生の指揮棒が上がると、先輩たちの集中は指揮棒に集中する。

先生が棒を振った。

先輩たちの演奏が始まる。

やはり音の層は薄いけれど、多分、感謝の気持ちは伝わるであろう。
私はこの曲を聴いてそう思った。


「起立。気をつけ、礼」
「「「ありがとうございました」」」

先輩たちの練習が終わった。

「それでは1年生の皆さん。今日は終了ですので帰ってください」
「「「はい、ありがとうございました!!」」」

私たち1年生はすぐに荷物を持って退室した。


「先輩たち、すごかったねぇ」

私が葵にいう

「うん。でも、やっぱり少人数だとさびしいな・・・」

そう葵が呟く

「そっかぁ。葵のお母さんって西中が強豪校って言われてたころのメンバーだったんだっけぇ」
「うん。て、ずいぶん古そうな言い方するわね」
「だってぇ、西中が強豪校だったのってずいぶん昔でしょぉ」
「うん。それは確かだけど、人の母親がずいぶん年取ってるみたいな言い方はやめてくれる?」
「はぁーい。わかりましたぁ」
「棒読み禁止!!」

こうして、私たちの仮入部最終日は終わった。