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Re: 青春のメロディー【西宮中学校吹奏楽部物語】番外編更新中 ( No.68 )
日時: 2011/12/25 22:38
名前: 華鈴 ◆NZJg9s3.DU (ID: lqooIEvM)

☆番外編 Xmas編 
S1 西中流クリスマスツリーの使い方

今年もこの季節がやってきた!!
そう。クリスマスである。

クリスマスということで、音楽室もそんなかんじに衣替え(模様替え?)
ドアのところにリースを飾り付けたり、
ピアノをクリスマス風に飾り付けてみたり・・・。
(ちなみに、今は冬休みだからこんなことやっても怒られない・・・はず)
そして、なんといっても飾り付けのメインはこれ!!

「・・・先輩、何ですかこれ」

後輩の南川杏が私に聞いてきた。
彼女の視線の先には1本のもみの木が。

「ああ、これ?杏ちゃん、これはね・・・」
「まさかクリスマスツリーとか言わないでくださいよ」
「うん。クリスマスツリー」
「・・・・・・」

杏ちゃんが呆然とした表情でもみの木を見ている。
杏ちゃんだけではない。ほかの1年もである。
なぜ1年生がクリスマスツリーを珍しげに見ているのかというと・・・。

「先輩。これ、明らかにクリスマスと七夕間違えてますよね」

1年生の気持ちを代表して意見を述べたのはユーフォの宮下葵。
見た目は真面目ちゃんだが、実は杉本級の毒舌少女だったりする。

さて、なぜ1年生が珍しそうな目でクリスマスツリーを見ていたかというと、彼女が言ったとおりである。
そう。クリスマスツリーには飾りではなく、短冊が吊るしてあったのだ。

「いいでしょ。和と洋の融合みたいなかんじで」
「いや、褒めてないですから」

葵ちゃん、完全に呆れてます。
多分、他の1年生も同じだと思う。

そりゃあ、普通の人がこの光景見たらもう呆れるしかないっしょと私は思った。
その理由は、もちろん自分たちのときもそうだったからである。
いつからこんな使い方をされてきたのかは謎だが、普通の人が見たら単なる気違いにしか見えないであろう。

「1年。この短冊にそれぞれの思いを書いていってそこのツリーに吊るしといて」

そういって加奈先輩は折り紙で作った短冊を1年生に渡す。
1年生は、加奈先輩の分かりにくすぎる説明と、謎のツリーの使い方を目撃したショックで目が点になっていた。

私は、そんな1年生を苦笑いしながら見ていた。

・・・去年の先輩たちの気持ちもこんなんだったんだろうか。