コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: どこにでもありそうなありふれた日常。 ( No.3 )
日時: 2011/08/22 21:57
名前: るきみん (ID: JryR3G2V)

       その2

その後、がんばって自転車走らせて何とか間に合わせた。俺が校門を通ったあと先生と思われる人が校門を閉めていたから結構ギリギリだったと思う。

(これで朝夏にシバかれずにすむ・・・)
内心ホッとしながら校庭を進んでいく。学校から配られたプリントによると、体育館の前で受付をしているらしい。
明はプリントとにらめっこしながら体育館に向かって歩き出した。

???「ちょっと! 話が違うじゃない! 受付は8時30分からじゃなかったの!?ぜんぜん誰も来ないじゃない!」 
???「うう〜ごめんなさい〜。受付は8位10分からでした〜」

体育館に近づくと、女の人二人の声が聞こえてきた。朝からうるさい人たちだ。
罵倒しているほうの女の人は明翠高校の制服を着ているからこの学校の生徒だろうが、もう片方の罵倒されているほうの女の人はなにやらスーツを着ている。たぶん・・・この学校の教師・・・だとおもう・・・。
罵倒されてるけど。

???「あ・・・おーい! そこの君! 早くこっちに来なさい!」
行くか行くまいか迷っていると、罵倒していたほうの女の人に見つかってしまった。なんだか俺の第六感が危険を知らせている。非日常の気配がする・・・。

だが呼ばれたのにガン無視する訳にもいかず、しぶしぶ女の人二人が待つ受付へ向かった。
受付には金髪で長髪の女性と、黒髪でショート、そしてメガネをかけた女性がいた。たぶん金髪の女性が罵倒していたほうで、黒髪でメガネをかけた女性が罵倒されていたほうだろう。教師なのに生徒に罵倒されるって・・・
ただボロっちい机を二つ並べただけの受付で、二人の女性はあからさまにワクワクとしたオーラを出しながら俺を待っていた。行きにくい・・・。

黒髪の女性ははボロい机に座りながら「火燐さん! 来ましたよ! やっと来ましたよ!」とはしゃいでいる。火燐というのは罵倒していたほうだろう。
そして火燐と呼ばれた女の人は「まあ・・・悪くはない・・・かな?」と、俺の顔を値踏みする様にじろじろと眺め回している。

明「あ、あの・・・受付を・・・したいんですが・・・」
火燐「ん? ああ、そうね。ほら、出番よ」
火燐さんがメガネの女性を促す。

女性「あ、はい・・・えーと、学校はどちらですか?」
明「○○中学校の松山明です」
女性「松山、明・・・さん・・・あ、ありました。それではここでパンフレットを受け取って体育館で校長先生の話を聞いてください」

メガネの女性は名簿の中から俺の名前を探し出すと、そこに丸をして俺にパンフレットを渡した。それを受け取りながらちらりと腕時計をみる。うわー。もう集合時間過ぎちゃったよ。もう校長の話とか始まってるよ。

明「ありがとうございます。では」
これ以上遅れてしまったら少しめんどくさい。高校への評価が下がってしまう。・・・まあそれ以上に朝夏にシバかれるのが怖いのだが。みんな、このことは内緒だよ。

火燐「ちょっとまちなさい」
明「え、なんですか?急いでいるのですが」
火燐さんが俺を呼び止める。もう遅刻が決定している身である俺にとって、一刻も早く体育館へ向かいたい所存である。

火燐「その、パンフレット。ちょっと破れてるわよ。こっちのやつに交換してあげる」
明「いや・・・べつに破れていないので・・・だいじょ、」
火燐「いいっていいって」
大丈夫です。と言いたかったが、それを言い終わらないうちにパンフレットを取られて、交換されてしまった。なぜに・・・

火燐「さあ!もう校長先生の話が始まってるわ!明くん、早く行きなさい!」
ビシィ! と俺を指差しながら言う。引き止めたのはどっちだ。
まあ先を急ぐけどさ。

明「では・・・ありがとうございました」
軽く頭を下げて小走りで体育館に入る。うう・・・もう完全に始まっちゃってるよ。超入りにくい・・・。
後ろのほうで火燐さんが騒いでいる声が聞こえる。のんきな人はいいな。まったく。俺も見習いたいよ。

体育館に入ると、うちの学校の教師が近寄ってきてうるさく注意する。それを適当にながし、同じ学校の生徒が座る列の一番後ろに座る。
べつに仲のいい友達がいるわけでもないので、俺が座ってもだれも挨拶しない。まあどうでもいいけど。

体験入学は午前中だけ・・・その間何も起きなければいいが・・・それは無理なのだろうか・・・?もうこの時点でフラグが立っている気がするのだが。