コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: どこにでもありそうなありふれた日常。 ( No.4 )
- 日時: 2011/08/22 21:55
- 名前: るきみん (ID: JryR3G2V)
その3
校長「え〜、であるからして〜」
・・・もう疲れた。このおっさん「であるからして」って何回言った?もう尻が痛くて痛くて・・・。
明「そうだ・・・パンフレット・・・」
たぶんこの校長の話が終わったら自由行動になる。どこへ行くか決めておかなくては。
野球部、サッカー部、テニス部・・・
部活紹介のページをみると、どこの高校にでもあるありふれた部活が並ぶ。コメントの欄では今年こそ全国大会出場!とかみんなで楽しくやりましょう!とか書いてある。部活で人生に一度しかない青春をつぶす気など全然ない俺は、どこの部活にも入る気なんてない。が、特にやることも無いのだからしかたない。
軽音、手芸、家庭科・・・
同好会のほうもあまり特別なものはない。どこの高校にでもある普通の同好会だ。
明「やはり面白そうな部活はないか・・・ん?」
部活紹介の最後のページの余った空白に、パソコンで書かれたとは思えない完全にボールペンで書かれた欄が作ってあった。そこには、
〜美少女研究部〜
部長:2-4 桜井火憐
活動場所:まだ無いケド、文句ある?
人数:1人
一言:
松山明くんだっけ? 私がこうやって直々に誘ってあげてるんだから断る理由は無いわよね? この学校の屋上で待ってるわ。自由時間の間に来てね。
それじゃあ、いい返事をまってるわ。
PS
この高校の敷地に入った時点であなたの住所、氏名、年齢、電話番号は割れています。どうあがいても無駄ですので、諦めなさい。
明「・・・・・」
綺麗な字で書かれた脅迫文を何回か読み返す。
これはたぶん、あれだな。ここにいるもう一人の松山明くんに向けたメッセージかな。うん。おーい、松山明くーん。火燐さんが呼んでるよー。
・・・・・・・いるわけねえよなぁ・・・
これもう絶対俺に宛てた文だろ・・・もう諦めるしかないのか・・・
どうでもいいが、この部活名はいけない気がする。人として。
教師「校長先生、ありがとうございました。それでは、生徒会長の桜井火燐さんお願いします」
俺が絶望している間に校長の話が終わる。次に生徒会長の話があるらしい。・・・って、この人ってさっき受け付けにいた人じゃね!? あの人生徒会長やってたの!? しかも美少女研究部って部長って! そんな人が生徒会長やっちゃダメだって!
火燐「えー、私が次期生徒会長の桜井火燐です。わが私立明翠高校に体験入学に来ていただき・・・・」
おう?結構ちゃんとしてるぞ?おかしいな。「みんなー! 美少女研究部に入ろー!!」とか言うと思ったのだが・・・さすがにないか。
・・・ないよね?
火燐「・・・と言うことなので、みなさんこの学校のいいところをいっぱい学んで帰ってくださいね」
あんたが生徒会長やってる時点でこの学校は終わってる。
生徒会長さんは話し終えるとぺこりとお辞儀してステージから降りた。降りる間に俺のほうを見た気がする。気のせいであってくれ。
教師「え〜、それではこれから自由行動になりますので、みなさん静かに移動してください」
静かに、と言っているにもかかわらず中学生たちはそんなことお構いなし。みな騒ぎ散らして体育館を後にする。まったく、これだからゆとりは・・・
だが俺も今回だけはそれがありがたい。いつもであればこのまま騒ぎが収まるのを待つのだが、そんなことをしていると朝夏に見つかってしまう。俺は今脅迫されている身であるからして、あいつに関わっている時間は無い。どたどた移動するやつらで体を隠しながら体育館の出口へ向かう。
クックック。朝夏のやろう、どうせ俺を探しているんだろうが、お前は俺を見つけられるわけが無い。
フーハハハ! 勝った! 朝夏に勝ったぞ!
言葉とは裏腹に、コソコソ隠れながら出口へ向かう。だが、
人生はそんなにうまくできていなかった。
体育館はかなりごった返していたが、少しすると、入り口が見えてくる。
そして・・・入口に寄りかかる人の影も・・・
明「なん・・・だと・・・?」
そう・・・その入り口に寄りかかっていた人影は・・・紛れも無く俺の幼馴染、木咲朝夏だった。