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Re: 〜*日替わり執事*〜【第4話更新】 ( No.13 )
日時: 2011/09/16 20:54
名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: lIcPUiXw)

第5話『一週間の始まりは日曜日かそれとも月曜日かで意見が分かれるのは何故か』

「———それで、ここは私の両親の部屋です。そしてその隣がお母様のメルヘン部屋。そしてまたその隣がお母様の妄想部屋です」
「…………あの、お嬢様」
「はい、何でしょう?」
「奥様の部屋が多いような気がしますが……」
「ええ、私もそう思います」

屋敷中の部屋を3分の1ほどを見て回った結果、光さんの感想に全員が頷いた。そう、屋敷の大半を閉めている部屋は、お母様の趣味部屋。メルヘン部屋からラノベ部屋、妄想部屋にBL(お母様曰くビックリするラブらしい)部屋等々、娘の私ですら把握できないほどある。というか、把握したくない。娘という立場上、母親の見てはいけない部分とかを見るようで怖い。

「それで?いったいあと何部屋見ればいいわけ?」
「えと……まぁお母様の部屋は知らなくて良いから、あとは大まかな部屋ですかね。お父様の書斎と、私の部屋。後はお稽古や習い事なんかで使う部屋とかを把握してもらえれば、それで……」
「まだあんのかよ……」
「へぇ、姫さんの部屋か。楽しみだな」

いや、絶対見せませんからね。



「で、ここが書架です。……これで一通り終わりになります」
「やっと終わったー……」
「つ、疲れました……」

学校組(私が勝手に名付けた)が床にだらりと座り込む。確かに、私も少し疲れた。一方で大人組(光さん・翡翠さん・輝さん)の輝さんを除く二名は、背筋を伸ばして私の後に控えてくれている。ほんと、どこまで真面目なんだか。

「あ、じゃあ何か飲みますか?」
「って、お嬢様……それは私どもの仕事では……」

あ、そうだっけ。まぁ別に良いでしょ。
私はその言葉を軽く流すと、先ほどまで飲んでいたティーカップに用意してあった紅茶を注ぐ。入れるって言っても、もともと用意してあったものを入れるだけだし。それなのに、光さんはオロオロと私の事を窘める。

「お嬢様、執事とはなんでいるのか分かっていらっしゃるのですか?」
「ま、姫さんがいれてくれる紅茶なら飲むけどね」

しまいには翡翠さんと輝さんも出てくる。ちっ、めんどくさ。

「別に良いじゃないですか。どうせ用意してあったもん入れるだけですし」
「そういう意味ではございません」
「そうですよ!僕たちの仕事がなくちゃう……」

緑君がうるうるとした上目遣いで見つめてくる。うっ、やばい。これにはやられるかも。意外にも私のショタコンがこんなところで発覚したところで、話題を変える。

「そ、そうだ。光さん、明日のお仕事なんですけど……」
「はい、何でしょうか」

お仕事の話だからか、光さんの目に明るい光が灯った。

「最後に案内した書架の整理を頼みたいんです」
「整理……ですか?」
「はい。ちょっと溜まっちゃって……。お願いします」
「分かりました」

明日家に帰ってきたらどうなっているのか楽しみになったのは、ナイショで。