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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 災厄の魔女の契約書 お便り的なもの募集!! ( No.151 )
- 日時: 2011/09/11 15:44
- 名前: 琉架 (ID: MnBE3vuR)
14話「言葉に込めた想い(過去編)」
意識が途切れた時テンマの中にある『記憶』が戻ってきた
彼と彼女しか知らない彼女だけの『記憶』
二人で分け合ったずっとずっと昔の懐かしい『記憶』
「ねぇ君は誰なの?」
「あたし?あたしは『魔女』だよ」
「まじょ?なにそれ?」
「知らなくていいんだよ、だってあんたは人間じゃん」
「そうだよ」
ベンチに座っているテンマに声をかけている少年
「あんた、名前は?」
「鬼灯 零兎、8歳だよ」
「あたしはリリス・テンマ」
「ふぅ〜んじゃぁ、テンマって呼ぶね」
「ええ零兎」
こんな単純な出会い方だった
どこでもありそうな2人の出会い
でもこの出会いはどこにもない運命からはみ出た出会いだった
それからは零兎とテンマは中学になった
テンマは可愛らしくなっていった
ただ、テンマの本当の年齢は彼女自身も知らなかった
テンマとはいつも会い、小学3年の時に出会ったくれなとも仲良くなった
でもある日それは変わった
「ねぇ零兎、あたしもう消えなくちゃ」
出会って5年目の雨の日だった
こちらを見て笑っていた
「あたしは『人間』じゃないんだ
だから、ね
零兎に干渉しすぎるといけない
今からある『呪い』をかける」
「何、言ってるんだ?」
「大丈夫、あたしの事を忘れるだけの『呪い』
零兎が高校1年生になったら思い出すわ
そしたらきっと今より状況を整理しやすくなるはずよ
大きくなったら零兎はあたしの事、『愛してくれる』かなぁ」
最後にテンマは泣きながらこういった
「零兎、愛してる」
その言葉はまさに『呪い』だった
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