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Re: 災厄の魔女の契約書 お便り的なもの募集!! ( No.157 )
日時: 2011/09/14 19:03
名前: 琉架 (ID: MnBE3vuR)

15話「アナタとわたしとカギ」




——あ、あ、あ、あの記憶…ってあたし……あれ?
   あたしはあの記憶…知らない?

あの『記憶』を見た瞬間テンマは放心してしまった
すべてを一瞬で手放したようなそんな感じで

——怖いよ…誰か、零兎………助けて、助けてよ

「災厄の魔女が怖がるなんて、」
「だ、誰?」
「わたし?わたしはね力を失った≪災厄の魔女≫
 狂った力を持っていた≪災厄の魔女≫
 アナタを助けに来たの」

そう、女は言う

女は艶やかな長い銀髪に碧と翡翠が混ざった綺麗な瞳
細い体躯なのに身長は175前後だろう、スタイルも良い
鋭い瞳からは恐さを通り越して妖艶さを感じてしまう
アレンに劣らない体躯の良さ

一言で言えば『美しい』、
その一言だった

「わたしは『リリス・アリア』…どう?思い出さない?
 『雨戸くれな』と『アナタ』を————者
 最初の制作者……わたしは、わたしは『アナタ』の、」

最後の言葉を聞いてテンマは愕然とした
有り得ない、そう訴えかけているようだった
いや、そうだろう
とても『嬉しかった』のだろう

「わたしは、わたしは『アナタ』の、母に価する者でもある」

——あたしを生んだ者、あたしを作った者、あたしを悪魔に住ませた者
   あたしが壊れた原因の者?

「『アナタ』は一番最初に悪魔が創った『人間』だった
 いや『人間』ですら無かった
 『悪魔』に喰われた『モノ』だった」
「……思い出したよ、あんたはあたしを『殺した』と同然の者
 でもそのおかげであたしは零兎に逢えて零兎は『雨戸くれな』を好きになった
 あたしは≪災厄の魔女≫になった」

「「でも」」

「『アナタ』を『人間』に戻す方法がひとつだけある」
「『雨戸くれな』が持つ『カギ』で『閉鎖—ロック—』を開ける」
「そして『アナタ』に干渉する全ての者の『アナタ』の記憶が」







アリアはこういった

「—————消される」