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Re: 災厄の魔女の契約書 番外編アンケ、再度実施中!! ( No.218 )
日時: 2011/10/28 20:17
名前: 琉架 (ID: MnBE3vuR)

26話「少女達の恋愛模様」





——はぁ……

ため息をつく
この翡翠色の髪の少女は『クレイド・アレン』≪男を惑わす魔性の魔女≫の異名を持つ魔女だ

——別に、レストが嫌いな訳じゃ無い、でも……レストは…ねぇ

胸が痛む

「あたしの恋、一生叶わないだろうな…」

曇った窓ガラスに指を惑わす
すると、背後で

「零兎と天魔ちゃん来ないね〜〜」
「2人でラブラブしてるんじゃないの?」
「それ有るね〜〜〜」

と、きゃっきゃ話している女子がいる
その中に作り笑いのような少女、くれなが混ざっていた

——なんで人間の女って、人の恋愛に手を出そうとするのかしら
   不思議だわ…………

「そーいえば、亜恋って好きな人とか居る?」
「なんで教えなきゃいけないの」
「いや、別に」

すこし、睨むと女子達はこそこそと逃げていた
そして小声で何かをぶつぶついって居る

——どうせ、悪口だろう…やっぱり人間ってよく分からないわ


天魔は思った

——零兎に何か虫がつかないかな?

あの(もしかしたら)ラブレターを見てから零兎は少し変わった

——零兎は人間だもの、あたしの事好きになってなんて、迷惑だったよね

悲しげな顔になる
もしも、もしも零兎がいたら、心配してくれるだろうか
でも、今は居ない
自分に何かを隠している

「こわいよ……」

——馬鹿みたい、なんで魔女のあたしがこんな事…っ

胸が軋む
ぎりぎりと、締め付けられる

「早く、早くあたしの隣に来てよ」

眉尻を下げる
泣きそうな眼になる

「好きだよ、零兎」


——零兎、なんであの娘とばっかり一緒に居るの

ベットの上で枕を抱える

——私も見て欲しい

そんな欲があふれてくる
そんな気が、ずっと心の中で渦巻いていた

「あああああっで、でも亜恋ちゃんも、そうだし」

泣きたくなる感情を抑えて自分に言い聞かせる

「好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き」

息が切れるほど「好き」を連発する
下唇をかみ、涙をこらえる

「零兎は誰の事が好きなんだろ」

——天魔ちゃんかな、だってき、キスしてたし…

「なら、私は零兎の一番になれないんだね」

窓から空をみる
星一つ無い、空をみる

——世界で一番、零兎が好き…