コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ゴースト!! ( No.4 )
日時: 2011/09/07 11:30
名前: るきみん (ID: JryR3G2V)

第一話『神隠し? さらわれたクラスメイトを助け出せ!』

         その1

「はあ? 神隠しだあ?」
いきなりすぎる言葉に、俺は口に運ぼうとしていたエビフライを危うく落としそうになりながら、俺の前の席に座ってこっちを向きながら弁当を食う友人拓矢の顔をポカンとした顔で見る。
神隠し。意味ぐらい分かる。なんか・・・お化けみたいなのが人をさらうやつ。だと、思う。記憶が曖昧でよく覚えていないが、昔よくばあちゃんに、遅くまで遊んでいると神隠しに遭う、とか脅された覚えがある。
「ああ、神隠しだ。昨日もあったらしい。瑞樹も名前ぐらい知ってるだろ?」
めちゃめちゃ真面目な顔で、紺野はそんな事を言ってのける。
はっきり言って、俺はこの手の話に興味がない。心霊写真だの、呪いの館だの、そういうオカルト系の根拠の無い事が、一番嫌いだ。
「へ〜、神隠しね、うんうん、よくあるよくある」
適当に返事をして、落としそうになったエビフライを愛おしそうに口へ運ぶ。ああ、うまい・・・
「ちょ、ちょっと聞けって。昨日、学校の裏の森に肝試しに行った二人の男子生徒が、行方不明になったらしい」
「学校の裏の森? あそこって進入禁止じゃなかったっけ? あとなんでそんなこと知ってんだ」
「進入禁止だが、そんなことわざわざ気にしないだろ。そして何で知っているかというと、今日の朝そいつの母親が学校に来てたからだ」
・・・・・・
「なんかうそ臭いな」
「そ、そんなことねえよ! 本当に見たんだよ! 朝校長室に入っていく母親を!」
「だから、それが本当でも、それが行方不明と何の関係があるんだよ」
学校に来るにしても、成績不良とか、理由は山ほどある。その中で、行方不明で学校へ来る可能性は、ゼロに等しい。
「それはだね・・・聞きたいかい?」
「そうでもいいから早くしろ」
拓矢は「仕方ない・・・」と、前置きして
「今日の朝、いつものように階段の下で女生徒のスカートの中を監視していたら・・・」
「おい、おかしいぞ。お前が変態って事は知ってたけどそこまでだとは思わなかったぞ」
「まあ話は最後まで聞け。それで、その女生徒はこんなことを話していたんだ・・・・・・昨日の夜、森の中へ入っていく男子生徒二人がいたってね」
最後のほうは、俺を怖がらせたいのかよく分からないが、なんだか会談口調になっていた。別に怖くないけど。
「それはそれは、朝から楽しそうだね。」
俺は、食べ終わったお弁当を片付けながら適当に受け流す。興味がないのだから仕方がない。
「それでなぁ・・・今日の夜、俺とお前で、森に行ってみねえ?」
「いや・・・」

「ちょ〜〜っと待った〜〜!」
いやだ、とキッパリ断ろうとすると、ある一人の女生徒によってそれを阻止されてしまった。
「話は全部聞かせてもらったわ!」
え? 全部って・・・拓矢の変態な話も?
「・・・なんの用だ・・・委員長」
拓矢はとても嫌そうな顔をしながら、今話しかけてきた人物の顔を見る。
このクラスの委員長、もとい柊真子さんだ。俺達がなにか悪巧みをしているといつもそれを嗅ぎ付ける。
「裏の森は進入禁止です!」
「あ〜そうですね。俺等もあそこには入らないようにしようって話してたんだよ」
拓矢がうんざりしたようにみえみえの嘘をつく。
「・・・かといって、その行方不明になった男子生徒っていうのは気になるね・・・よし! 今日の肝試し、私も行く!」
「分かったよ・・・今日はおとなしく家で勉強を・・・ってええ!?」
おいおい、話がおかしい方向になってきたぞ。委員長なら止めてくれると思っていたんだが・・・
「まてまて委員長。来週はテストだぞ? こんなことで油売ってていいのか?」
痛い所をつかれたらしく、「うぐ・・・」と言って委員長は黙ってしまう。
「いいじゃねーの。テスト勉強なんかより人命救助の方が優先だろ」
「そ、そうそう! だから私も行く!」
「来週はテストだぞ・・・」
はぁ、こいつらには何言っても無駄かな・・・もう肝試し、もとい行方不明になった男子生徒の捜索に対してメチャメチャやる気になってるもん。
「じゃあ今日の夜! 8時に学校の校門集合な!」
そうやって、拓矢は高らかに宣言するのであった。