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Re: 【参照1700越え】カラの実【番外編のリク募集!】 ( No.504 )
日時: 2012/04/03 20:15
名前: ミルクチョコレート ◆/QnEJQqynw (ID: Un6CeTvg)

〜第4章〜
第6話

「別に私達が気にすることではないし、諸刃には期待はしていない。もしもの時は私が————————
殺る」

仙人は諸刃には見せたことのない真剣な目をしていた。

「それは一体…」
「いずれ分かるさ、おっと雪が降ってきたようだ、諸刃を中に入れよう。」
「そうですか…それでは私は散歩でもしてきます。」

仙人と喋っていた者が扉を開けると同時に諸刃が扉を開けた。
その者は諸刃に対してこう言った。

「いいおじいさんですね。」

諸刃はニコッと笑うとこう言い返した。

「この世の誰よりもな。」

諸刃がニコッと笑うとその者も諸刃に対してにっこりと微笑み外へ出て行った。

「あの人は?」

諸刃は仙人と一緒にいた者が帰ったのを確かめると木の椅子に座った。

「わしの弟子という所じゃな、いずれは諸刃のライバルになるじゃろう。」
「ふーん…ってぇぇぇぇぇえええええええ!!!ライバル?!マジかよ…」
「そんなことは置いといて、一人でここまで来ると言う事は何かあったんじゃろ。」

仙人は先ほど出て行った弟子が飲んでいたホットミルクのコップを片付けながら話を始めた。

「実は…」

諸刃は美蘭がさらわれたことを仙人に伝えた

「そうか…ところで諸刃は人のために死ねるか?」
「ヘ?」
「自分が死ねば友達が生き残れるか友達が死ねば自分が生き残れる、さあ諸刃はどっちを選ぶ。」
「そりゃあもちろん…」

諸刃の口はそこで動かなくなってしまった。

「結局、お前はその美蘭というやらを助けず自分を守ろうとしたのではないのか?」

そういえばそうだ。自分の力を試したいあまり、美蘭が連れ去られたのだ。

「結局そんな事で迷っていては助けられない、お前のパートナー、リリーもな。」
「なっ・・・」

諸刃は何も言い返せなかった。しかも、ほとんどリリーに会わなかったせいかリリーの存在も忘れていたのであった。

「まあ、その迷いを消すためにここに来たんじゃろ。さあ修行を始めよう。」
「・・・おう!」

〜「第4章 第6話」終了〜
        〜「第4章 第7話」に続く〜