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Re: 魔女守り! ( No.12 )
日時: 2011/11/19 17:36
名前: 由羽 (ID: mOKQW.49)


 女子寮は、ありえなかった。
 もともとは三階建てであろう建物の三分の二——つまりは二階の部分まで全壊しており、一階も全部で四つの大きな窓のうち二つは破壊されている。

「……恨み買われてんなー」

 ノゾミは正直な感想を述べた。すると。

「あんたまたとび蹴りされたいの……? ああそうか、してやるよ」
 
 近くのスーパーの袋をぶら下げて立っているアネモネが現れた。

「ちっ、違う!」

「じゃあ何の用? ここは何の建物か調べに来たの……?」

「えと、なんか教官のとこ行ったらすることなくて……」

「あんたは昭和の小学生か! アポなしで来て、いなかったらどうするつもり!」

 畜生あの名前は知らない男の子、騙したな。あとで火蘭の刑だ。とノゾミはこぶしを震わせる。

「まあいいわ。あんたも魔女守りに来るんだったら、寮の部屋を用意しないといけないからね。あんた、荷物は?」

「あたしはあんたじゃなくてノゾミですが答えます。明日取りに来いって言われました」

「じゃあ部屋の確認だけね。ちなみに寮長はあたしだから。あんたじゃなくて」

 ついてきて、と言ってアネモネはバレエダンサーのようなきれいなフォームでくるりと踵を返した。