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Re: 魔女守り! ( No.126 )
日時: 2011/11/19 18:28
名前: 由羽 (ID: mOKQW.49)
参照: 小説の賞に応募したいです!

 ああ、こんなことになるなんて思ってなかった。
 こんな考えが、僕の頭の中をぐるぐるぐるぐる……と、渦巻いていました。

「あたしのせいでっ! あたしのっ……!」

 ノゾミさんは泣いてはいませんでしたが、すごくうるうるな目で、隣にいた魔女狩りの人——お母さん方が呼んだ——の腰を、ポカポカと叩いていました。
 言っていることとやっていることが違いますが、まあ魔女狩りの人は困った顔で笑っていました。

 当時十歳にも満たない僕たちは、どんなに「君たちのせいじゃない」と言われても、絶対、絶対、自分たちのせいであの子は誘拐されたんだと思っていました。

「あたしのせいなのっ! なんでみんな違うなんて言うの。あたしのせいなんだから!」

 責めてもらえたほうがマシでした。僕たちにとっては。
 やっぱ、他人の心は読めない、ということです。
 そして、ノゾミさんが、本格的に泣こうとした、その時でした。

「このっ……バカガキ!」

 一人の魔女狩りが、僕たちがいた学校の多目的室にずかずかと上り込んできて、いきなり怒鳴ったんです。

「友達守れや!」

 責めました。あの人は、僕たちを。小さい、僕たちを。

「魔女狩りもな、仲間守って魔女狩りをするんだ。あんたらが、守れなかったのは分かるが、何か行動を起こせ! できることがあるだろ!」

 周りの人たちがその魔女狩りさんを押さえつけましたが、僕は、
「117−96……その下は、ちょっと」

 車のナンバープレートを言いました。
 少しでも、役に立ちたかった。

「……よし、ナイス記憶力だガキ」

 バカが取れました。
 なぜか、それだけでもうれしかったです。

「行きましょう、教官!」

 この人は、きっとヒーローだ——。
 柄にもなく、そう思いました。