コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 魔女守り! ( No.14 )
日時: 2011/11/19 17:38
名前: 由羽 (ID: mOKQW.49)


 外はありえないほど汚かったが、中は結構きれいだった。

「まあ、あたしがいるから、汚くなんてさせないわよ」

 ノゾミが綺麗だね、と感想を述べると、ぷいと顔をそむけ、アネモネがツンデレオーラ全開でそう返した。
 
 ふぅーん、と意外なキャラにノゾミがにやついてると、
「あ、あんた、窓が破壊されてる部屋と窓と壁に大きなひびが入っている部屋と壁にちょっとひびが入っている部屋、どれがいい?」

「そっ、そんなん聞くまでもないでしょ!」

「窓と壁にひびが入っている部屋?」

「一番最後に言った部屋! なんで一番壊れてる部屋に住まなきゃいけないんだ!」

 力強く反論すると、アネモネは一番奥の部屋、鍵はこれ。と言ってさっさと自分の部屋に戻ってしまった。

「なんだあいつー。」

 鍵を指にかけてくるくるまわしながら、ノゾミはアネモネが入っていった部屋に向かって、つぶやいた。



——一方。


 クロは男子寮の中で、寮長のライジー先パイとやらを探していた。

 先パイかー、かっこいいんだろうなー。魔女狩りのほうのグラ先パイはただ怖いだけだったからなー、銃と剣、どっち使うんだろー、剣だったら教えてもらいたいなー。

 と、勝手な想像をしながら寮の中を歩く。

 男子寮は三階建てで、外から見てもひびと落書きしかされていなかったので、男子はあまり恨みを買われていないのだろう。

 先パイだったら背は高いんだろうなー、何センチくらいかなー、まあ僕は小柄だから少なくとも僕よりは高いんだろうなー、あ、だったら上のほう見て歩かなきゃー、茶色がかった髪で、短めって言ってたしー。

 想像がヒートアップしていたとき、どすんと胸のあたりに何かがぶつかった。

「あ、すみません。でもちょうどよかったです」

 ぶつかった感覚が人っぽかったのでライジー先パイの居場所を聞こうと思ったとき、茶色がかった短髪が目に入った。

 そして、
「お前がクロか? 俺を探していたって、聞いたんだけどな」

 一言。

「……ライジー先パイ……、ですか?」

「ああ、俺がライジー。男子寮の寮長だ。」

 身長、おそらく150センチ未満。
 一体どういう成長をしてきたのか。

「ライジー・カサブランカ。高等部二年。よろしくな」