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Re: 魔女守り! ( No.148 )
日時: 2011/11/19 18:41
名前: 由羽 (ID: mOKQW.49)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

「つっぎは、歴史ー。歴史ー。き・え・ろー」

 バスジャックのあった日から一週間後。

 ノゾミが鼻歌を歌いながら渡り廊下を小走りでわたっている。
 第二校舎と第一校舎を結ぶこの渡り廊下は、周りが壁で囲ってあるが、ほとんどが崩壊されている。
 足元に瓦礫が落ちているのは、つい最近五班が連行した魔法使いの集団のせいだろう。

「きっ、えっ、ろー。消えろ、消えろ、れ・き・しー」

 暗記物は得意としていないノゾミは、歴史の授業が大嫌いである。
 しかし、一隊員が歴史の授業を消すことなんてできない。

「いいなー、訓練の人は」

 意外と運動は好きだと気が付いたノゾミは、校庭を眺めた。

「……でもあたしの腕の中には歴史の……」

 はあ、と落胆して教室に行こうと、踵を返した時、
「好きです!」

 近くでそんな声が聞こえた。

「おっ? 誰が誰に告ってんだ? ってか隠れよ」

 無事に残っている壁を見つけ、大きな体を縮める。

「ってか、片方がアネモネじゃないとBL始まっちゃうよ」

 そうはなりませんように、と願って声のした、体育館裏に目をやると、男子隊員といたのは、やはりアネモネだった。

「お、BL突入なし。ほっ。ってか相手結構イケメン。付き合っちゃえ、アネモネー」

 聞こえていないのにアドバイスをすると、アネモネが、
「——、ごめんなさい」

 振った。

「おう!? 振った!?」

 びっくりしていると、キンコーン、と、予鈴が鳴った。
 続きは見たいが、授業に遅れるのも嫌なので、しぶしぶその場を離れたのであった。