コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 魔女守り!【人気投票実施中!来てねー!】 ( No.177 )
- 日時: 2011/11/19 18:49
- 名前: 由羽 (ID: mOKQW.49)
- 参照: 人気投票開催中!!
「ねえアネモネ、魔女狩りのほう、通り魔事件で大変なんだって。……アネモネ?」
クロとどこかに行こうと思って、魔女守り本部に帰ってきたノゾミだが、クロはライジーと一緒に外出中らしい。
あの二人で行ったら兄弟じゃん。と、ふてくされていると、アネモネを見つけたのだ。
そのまま、なぜか放心状態のアネモネを引きずって、ポカポカ暖かい中庭に来たのだ。
上を見ると、雲一つない青空だ。お日様は機嫌がいいらしく、からからと照り付けている。その光を、近くにたくさん生えている木がカットしてくれて、木漏れ日として振り掛ける。地べたにどーんと座っているが、下は冷たく気持ちがいい。
「……ねぇ、聞いてる? おーい」
焦点が定まらない状態で、空を見つめているアネモネの顔の前で、手を振る。
だがそのことにさえ気が付いていないのか、より一層ボーっとしている。
「……こいつ。あたしのことを無視するなんて……おい、聞こえてんのか?」
恐喝すると、アネモネは「あ、うん何?」と、帰ってきた。
本当に聞こえていなかったのか。と思うようなきょとんとしている顔だった。
「……この、バカ。なんでそんなボーっとしてるんだよ。もしかしたら魔女になんかされたのかと思って、心配してたんだよ」
「お前、最後の心配してたとかどーのこーのは絶対ウソだろ」
「……ばれました?」
全く反省していないノゾミを見ると、あたしのさっきまでの出来事はなんだったのだ、と思う。
アホなこいつは、幼馴染のお兄ちゃんに「脱獄するから手伝って」と言われているのにまったくもって気が付いていないのだろう。
「……あんた、バカだと思う? 自分のこと」
「自分で自分をばかとかいうバカじゃねーンだよごらっ!」
そうキレると、アネモネは笑い出した。
唐突に。甲高い声で。
「……なんかねじが取れちゃったのか? 大丈夫?」
恐る恐る聞いてみたが——。
「あははっ……あーあ……」
ぽたり。
アネモネの膝の上に、しずくが一粒、落ちてきた。
一瞬雨だと思っていたが、ニコニコ笑っているお日様は涙を流しているようには見えない。
じゃあ。
「アネモネ? どうしたの? 笑い泣き?」
「心配はいらない。すぐ戻るから。あのね——」
いきなり話を変えたアネモネに動揺はしたが、ノゾミは姿勢を正した。