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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 魔女守り!【人気投票実施中!来てねー!】 ( No.179 )
- 日時: 2011/11/19 18:50
- 名前: 由羽 (ID: mOKQW.49)
- 参照: 人気投票開催中!! 新スレ立てたいです
「ルナと出会ったのは、あたしが小学一年生の時だったの。るなはその時小学五年生」
アネモネが近所に引っ越してきたのがきっかけだという。
「その頃は何もなかった。ただのいいお兄ちゃんだった。でも、」
変わってしまった。と、アネモネは続けた。
下を向いたまま動かないアネモネに、ノゾミは心配するそぶりをする。
「三年前、あたしが十二歳、ルナが十七歳の時だった。魔法使いになったルナは、調子に乗って犯罪を犯した。それでも懲役五年。軽く済んだほう。ラッキーだったのね」
そこで、本当に、本当にわずかに口の端を上げた。
それは、無理をしているとしか思えない。
「今、三年たった。あと二年なの。あと二年。だけど——」
二年なんて、言うと短く聞こえるが実際は長い。春夏秋冬が二回も訪れる。
「でも、三年もまったんでしょ? あと半分もないじゃん!」
そう、元気づけたが、アネモネはまた、小さく笑った。
三年が限界なのだろうか。
「……う……ごめん。あたしに気持ち読むなんてできっこないんだ」
しゅん、とうなだれ、空を見た。
神様は、アネモネの気持ち、読めているんでしょ。
問いかけるが、もちろん帰ってなど来ない。
すると、もくもくと雲が立ち、太陽を隠してしまった。
自分で考えろとでも言いたいのか。
「アネモネ、なんかできることあったら言ってね! あたし、アネモネの恋、応援してるから!」
一方的に言い残し、ノゾミは寮に向かって走って行った。
「……あたしに反論の余地はないんかい」
一人残された中庭に、むなしくその声は響いた。
上を見れば、さっきまであった雲はどこか、違うところに流れ、また、太陽が笑いながら顔を出していた。
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