コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 魔女守り!【人気投票実施中!来てねー!】 ( No.188 )
日時: 2011/09/24 19:12
名前: 由羽 (ID: Lay1j2X4)
参照: 人気投票開催中!!  新スレ立てたいです


 アネモネは、このことについてどう思っているのか。
 そんなことは、どうでもいい——わけがない。

「くそっ……これでいいのかよ……」

 薄暗く、じめじめしている地べたに、崩した体育座りをしているルナは、上を向き、手で顔を隠した。
 考え事をする時の癖で、自分でもよくわかっている。

 直そう、と思っているので、慌てて手を顔から離し、少し色が変わっている床に、手を伸ばす。
 ぺりぺりと、その床に張り付いていた壁紙がはがれ、ぽっかりと黒い穴が開いた。

「……ふっ」

 小さく笑う。
 そういえば、小さいころよく母親に、この笑い方はアネモネと似ていると、言われたな。
 そんなことを思い出し、今度ははっきりと笑った。

「アネモネは、止めなかった」

 そうだ。だったらいいじゃないか。脱獄だって、なんだって。
 あいつがどう思っているのかはわからない。実は協力しているふりをして、捕まえて手柄をとろうとしているのかもしれない。

「まあ、構わないか」

 あいつに捕まるならまあいい。ただ、逃げた後、捕まらなきゃいいが。
 通り魔事件でピリピリしているということは、町にも警備の人がたくさんいるだろう。それでつかまってしまったら水の泡だ。

「まあ、それはその時だ。足には自信があるんだ」

 残るはアネモネの問題だけだ。
 あいつは、どう思っているのか。

「迷惑はかけないようにしよう。——幼馴染、だし、な」

 幼馴染、ともう一度繰り返して、ルナは目を閉じた。

「幼馴染かー……」

 暗く、じめじめした牢獄に、その声は大きく響いた。