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Re: 魔女守り!【人気投票実施中!来てねー!】 ( No.206 )
日時: 2011/11/19 18:52
名前: 由羽 (ID: mOKQW.49)
参照: 人気投票開催中!!  新スレ立てたいです

 こうして、時間はあっという間に過ぎ——、
 早くも、脱獄決行の日。

「……アネモネー?」

「………………」

 今日の訓練は、さまざまなコースを走る、障害物競走のようなものだった。
 あるところでは、道具を器用に使って崖を登り、またあるところでは白い煙が立ち上る建物を通り抜ける。
 現在は、一キロもの距離を、ほふく前進で進むというものだった。
 そこで、アネモネはボーっとしているのか、コースアウトをし始めたのだ。

「おーい」

「………………」

「アネモ……って危なーい!」

 近くの池に、ダイブをしてしまったアネモネ。
 水しぶきが上がるが、なぜか悲鳴は聞こえない。

「……アネモネ?」

 恐る恐る水の中を見てみると、クロールをしているアネモネの姿があった。
 どうやら、次のコースは水の中だと思っているらしく、陸にいるノゾミを見て、きょとんと首をかしげる。

「……教官……」

 訓練は一旦中止になった。

     ☆☆☆

「くちゅん!」

 かわいらしいくしゃみをする、アネモネ。
 その隣には頬杖をつくノゾミ。
 そして、あわただしく動くクロの姿があった。

「ノゾミさん、風邪薬ってどこですかっ!?」

「そこの白い棚の一番上」

「あの、冷えピたと湯たんぽ、どちらにすればよいでしょうか!?」

「どっちでもいいわ!」

 ここは、アネモネの部屋。無事水の中から生還したアネモネだが、どうやら風邪を引いたらしく、保険医さんがいなかったので、一応女子のノゾミと、保険の授業で成績のいいクロが看病をしているのだ。

「あーあ、なんで池の中ダイブしたんだか。ばかじゃん?」

 相手が反論する体力がないのをいいことに、好きかっていうノゾミ。

「ノゾミさん、こらこら。放っておきましょう。では、何かあったらノゾミさんに言ってください。ノゾミさんは僕を呼んでくださいね?」

 え、あたしでも看病くらい、と、途中まで行ったのだが、クロは最後まで聞かずに、部屋を出て行った。