コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 魔女守り!【人気投票実施中!来てねー!】 ( No.217 )
- 日時: 2011/11/19 18:54
- 名前: 由羽 (ID: mOKQW.49)
- 参照: 人気投票開催中!! 新スレ立てたいです
夕日が、自分の頬を照らしているのに、気が付いた。
外はすっかり赤く染まっていて、青と赤が混じった色の雲が、黙々と立ち上がっている。
時々おねねさんの「走れー!」という声が聞こえている。まだ訓練は終わらないのだろうか。今は日が沈むのが早いので、訓練時間は三十分繰り下げられている。
時計を見ると、もう五時半だ。熱は少し良くなったらしいが、まだくらくらする。
「……夜中だから、今から準備しないと……」
寝汗でびっしょりの服を着替え、再びベットに横になる。
「早く、夜中に、なれ——」
意識がなくなってきたとき、どたどたどたっと、慌ただしい足音が、部屋の前で止まった。
ガチャガチャガチャ……。
乱暴にドアノブを回しているであろう音がする。
騒がしいので、布団を頭まで持ち上げる。
「ノゾミさん、それは左回しですよ何やってるんですか……右回しでやってみてください」
クロの声が聞こえたと同時に、え? というまぬけな声がして、どごっ、という何かが外れた音がした。
「ノゾミさんー! 回し蹴り得意だからと言ってドア、蹴破らないで下さいよー!」
「いいんだよ。よい子の皆さんはマネしないでね。これは小説だからこそなせる業だよ!こんなことができるのは、あとはコ○ンのヒロインの……」
本名を出そうとしたので、クロがノゾミの口をふさぐ。
「ふぶっ。何すんのよ!」
「著作権問題で訴えられますよ!」
はーい、としおれたノゾミを引き連れて、クロがアネモネの部屋の扉を開けた。
「こんにちは。具合はどうですか?」
「こ、ん、ば、ん、はっ! 具合はどう?」
「なんでわざわざこんばんはを強調するんですかっ!?」
「だって今夕方だもーん。夕方もこんばんはだもーん」
「どうだっていいじゃないですか!」
「ダメよ、読んでいる人の時間間隔が狂うじゃない!」
別に大丈夫ですよう、と反論しようとしたクロに、ノゾミは最後まで言わせず、「だめだめ」
その光景を見て、しばらくポカーンとしていたが、やがて肩を震わせ始めた。
「……くっ、くくく……何よ二人とも、夫婦漫才、しにきたの?」
「違うわよ!」
「違います!」
ハモッた答えにまた笑い出す。
むう、とクロがうなる。
「ここに来たのは、」
クロの弁解が始まった。