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Re: 魔女守り!【人気投票実施中!来てねー!】 ( No.227 )
日時: 2011/09/27 19:38
名前: 由羽 (ID: Lay1j2X4)
参照: 人気投票開催中!!  新スレ立てました


 丑三つ時——。
 世間では、幽霊が出る時間帯として有名な時間だ。
 だが、今出るのは幽霊などではなく——。

 ルナだ。

「さぶっ……こほっ……風治ってないし……」

 しゃがみこんでこほこほと咳をするアネモネは、うう、とうなる。
 ルナはなかなか出てこない。かれこれもう三十分もたっている。

「ルナ……おそいな……」

 顔が赤くなっているのはもう、再会を楽しみに待っているからではない。寒さで顔が赤くなっているのだ。

「ルナ……」

 つぶやいたとき、かたっと、草むらのほうで何かが動いた音がした。
 ルナが来たと思ったアネモネは、警戒心などどなく、無意識のうちに足を進めていた。

「ルナ!」

 飛びつこうとしたとき——、
 わき腹に、何か衝撃が走った。
 なんだろうとみてみると、紅い液体が垂れていた。
 ぽたっと落ちると同時に、鋭く、突き刺さるような痛みが走った。

 こいつはルナじゃない。

 三日月のように開かれた口。深めにかぶった帽子。こいつは——。
 通り魔だ。

 こんなところで、会うなんて。
 皮肉だ。あと少しで感動の再開のシーンじゃなかったのか。

 痛む体に鞭を打ち、腰についている儚花を取り出す。

「儚花、第三の乱——」

 その時。
 もぞり、と何かが動いた。
 これは、そう。わかる。
 ダメだ。来ちゃだめだ——。

「ルナ!」