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Re: 【もうすぐ四章終わり】魔女守り!【人気投票実施中!】 ( No.245 )
日時: 2011/11/19 18:58
名前: 由羽 (ID: mOKQW.49)
参照: ラブ要素あり!?

「何よ! たくましく成長しているとか! おしとやかに、大和撫子に成長しているわよ!」

 アネモネがクロをにらむ。
 ぎにゃっ……と、クロが腑抜けた声を出す。

「あんた、大和撫子とか言っている間に通り魔でも捕まえなさいよ! 逃げるでしょっ!?」

 すっかり伸びている通り魔を指さして、ノゾミがアネモネに向けて声を上げた。
 逃げないと思うんですけど、と突っ込んだクロの声は聞こえないふりだ。

「はあ、強制連行。魔女狩り本部に行こうねー」

 ずるずると通り魔を引きずってきたノゾミ。
 魔女狩り本部、と聞いて、ルナが肩を震わした。
 それを見て、アネモネは「ごめん先行っててー」と言い残し、植え込みの陰にルナを引っ張る。

「ルナ、どうする? あいつらの脳細胞はちょっとやられてるから、言い訳すれば大丈夫だと思うけど」

 ひそひそと小さな声で話すアネモネに、ルナは頭を撫でた。

「っ!?」

 顔を真っ赤にしてびっくりするアネモネ。

「もう大丈夫だよ。アネモネ。もう決意はできた。二年——よりは長くなると思うけど、待つさ。……許してくれる?」

 にこりと、口の端を小さく上げた、例の笑みをする。
 言葉の意味が一瞬わからず、きょとんとするアネモネ。
 だが、十数秒後——、目に涙をため、トマトのように赤くしながら、まるで、出会った時の年齢のように笑いながら、うなずいた。

「待つから。絶対、待つから。帰ってきたときは、その時は——」

 アネモネの声が、どこかから聞こえた窓の開ける音で、かき消された。