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Re: 【最終章も中盤へ!】魔女守り!【人気投票実施中!】 ( No.287 )
日時: 2011/10/18 18:07
名前: 由羽 (ID: KCnf7FEj)
参照: http://ncode.syosetu.com/n5860x/


——一方、魔女守り本部では——

「なあなあ、ノゾミとクロ、どこまで行っているんだ?」

 唯一、テレビがある部屋、食堂で、ライジーが唐突に声を上げる。
 その声に、アネモネが不審そうに眉を曲げ、答えた。

「なんで? あたしと交代した時には、ぴんぴんしてたけど」

 壁に寄り掛かっているライジーを、見下ろしながら、肩をすくめた。
 ところが、アネモネの言葉を、隣に来たメルネルが否定をする。

「でも、」
「普通なら、」
「もう、」
「交代の、」
「時間、」
「だと思う」

 それを聞いて、アネモネが時計を見る。
 彼女たちと交代してから、早くも一時間は経っているはずだ。
 一組のパトロール時間は三十分。遅い遅くないの問題ではない。

「何かあったのかしら——」

 その時、音を立てて扉を開け、レイスが入ってきた。

「レイス! 久しぶりじゃない!」

 アネモネが歓声を上げ近寄るが、レイスはシカト。
 ぷく、とほっぺたを膨らませるアネモネ。

「おい、ノゾミとクロは、いないのか」

 食堂によく響き渡る、大きな声で、その場にいた全員に問いかける。
 その問いには、誰もが首を振ってこたえた。

「わからない、のか——?」

「ねえ、どういう意味よ。ノゾミとクロが、どうかしたの?」

「そうだ。魔女狩りの、ノゾミたちと同じ時間にいた警備のやつらが、ノゾミとクロが誘拐されるのを見たらしい」

 その瞬間、はっ、と息をのむ音がした。
 アネモネだ。

「え? どういうこと? あいつらに、なんかあったってこと?」

「わからない。今、北地方の魔女狩り、魔女守り本部が調べている」

「ユエルもいるのね。じゃあ安心だわ。……って言えるといいんだけどね」

 アネモネは、出口に向かって歩き出す。

「仲間のピンチよ。行かないでどうすんのよ」

 その言葉に、一人、また一人と、席を立つ。
 その様子を見ていたレイスだが、ふっ、と笑うと、自分もそれに続き、歩き始めた。