コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 【キャラ人気投票結果!】魔女守り!【ついに参照千突破!!】 ( No.295 )
日時: 2011/10/29 19:27
名前: 由羽 (ID: aU3st90g)
参照: http://ncode.syosetu.com/n7429x/


 一分半、という数字を見て、ノゾミはとっさに、爆弾をわしづかみにした。

「ノゾミさんっ!?」

 クロの慌てた声にも振り返らずに、自慢の足の速さで駆け出す。

 あそこなら、どうにかなるかもしれない——!

 総理への歓声と、「魔法、万歳!」という声を聴いて、どうにかしなくては、と、本気で思った。
 あたしは、この人たちを、魔法の世界を、消してしまってはならない——。

「ノゾミさんっ! どこに行くんですかっ!」

 走り出したノゾミを追いかけ、クロは叫ぶ。
 一度も越えたことのない背中に向かって、走る。

「ノゾミさ……」

 彼女が向かったのは、川だ。
 川と言っても、水深はとても深く、絶対に入らないように、と、いつもくぎを刺されていた場所——。
 そこに、ノゾミは爆弾を思いっきり投げる。

 ばしゃん……っ。

 水しぶきの上がった音がして、爆弾が川の中に落ちる。そう思ったが——、
 爆弾が、川べりに立っている木に、引っかかっている。
 危ない、と思ったとき、

「っ! 取れろっ……!」

 ノゾミが、気に向かってタックルをかます。
 ず、とゆっくり、爆弾が川の中に落ちる。

「……やりましたねノゾミさん!」

 クロが駆け寄ろうとした、その時。

 ばっしゃ……ん。

 ノゾミが、勢い余って川の中に落ちてしまった。
 しかも、自分が爆弾を落とした場所に。

「……っ! ノゾミ……」

 クロの叫び声が、すべていい終わらないうちに。
 ぴ、とひときわ大きい音がして、
 時間がたった。


 どぉん。


 大きな音とともに、巨大な水柱が立ち、爆風がクロを吹き飛ばす。
 木に打ち付けられ、にゃっ、と悲鳴を上げるも、骨は折れていないようだ。

「っ、それどころじゃなくてですね、ノゾミさん!」

 クロが、川に向かって呼びかける。

「ノゾミさん、ノゾミさんっ!」

 近くから悲鳴が上がるも、ノゾミの声は聞こえない。

「ノゾミさーーん!」