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Re: 【キャラ人気投票結果!】魔女守り!【ついに参照千突破!!】 ( No.297 )
日時: 2011/10/30 18:16
名前: 由羽 (ID: aU3st90g)
参照: http://ncode.syosetu.com/n7429x/


 あれから、何日が過ぎたのだろうか。

 あれから、何をやっていたのだろうか。

 あれから、みんなはどうしているのだろうか。

 わからなくていい。
 聞くのが怖いのかもしれない。
 自分だけ、鎖で縛られている気がして——。
 目を開けるのが、億劫になっている。

「ノゾミさんっ——」

 うるさいなあ。寝かせてよ。あたしの名前、呼ばないで。
 怖いの。あれから、どうなったのか知るのが。あたしが、どうなったのか、理解してしまうのが——。

 それでも、あいつはあたしの扉をこじ開けてくるんだ。いつも、いつも。
 それで、ヘタレなくせに、怖いくせに、震える手でドアをたたき、閉じてしまいそうになる眸で目の前を見て、歯を鳴らしながらあたしの名前を叫ぶ——。

 今までは、うっとおしいだけだった。
 別に、助けなんていらない。自分で立てる。

 だから、そんな手を伸ばすな——。

「ノゾミさん!」

 うっとおしいけど、バカみたいだけど、まっすぐに、伸びてくる手。
 あたしは、この手をつかんでもいいのだろうか。
 すぐに離されたりしないだろうか。

 面倒くさいな。

 考えるより感じろ。これがあたしの座右の銘だ。
 仕方ないな——。

 あたしは、彼の、細い手をつかんだ。

「ノゾミっ!」

「ノゾミさん!」

「おい、今、医者呼んでくるっ!」

 ぴ、ぴ、と嫌な音を立てる機会の隣で、白い服を着ているあたしは、ベッドに横になっていた。
 とりあえず、何が何だかわからないので、きょろきょろとあたりを見回す。
 腕につながれた点滴、頭に乗った白いタオル、足に巻かれている包帯。

「……意味不明なんですけど……」

 とりあえず、近くにいた人物に問いかける。
 明るい色の髪をくるくると巻いてたらし、腰にはピンク色の剣。小さめの、魔女守りの制服。
 ああ、まるであいつだ。アネモネをそのまま大人にしたような。

「ノゾミ、気が付いた?」

 アネモネの声だ。
 しかし、ほんの少し、高く、艶めかしくなっている。

「ノゾミね、三年間、こん睡状態だったんだよ。あ、今、ライジー先パイがお医者さん呼びに行っているからね」

 三年間、こん睡状態——?