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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 魔女守り! ( No.3 )
- 日時: 2011/11/19 17:28
- 名前: 由羽 (ID: mOKQW.49)
「よっし。ここか。さっさと終わらせて、早く帰ろ」
「待ってくださいよ。僕は準備がまだです」
殺風景なドアの前。細すぎる路地の間に、少女が仁王立ちし、少年がおろおろしていた。
落書きがされた煉瓦に、二人の影が落ちる。
「入るよ」
明るいボブヘアーの少女が、隣にいる黒い跳ねっ毛が目立つ少年に声をかけた。
はたから見ても変な恰好をしている。胸の下までしかない紺色のブレザーに、純白のワイシャツ。ブレザーより少し薄い色のスカート、ズボン。少女の方はワイシャツをスカートの中に入れていない。いわゆる着崩し。
「あ、待ってくだっ「ったく、クロは。さっ、行こう!」……最後まで聞いてくださいよ」
「や・だ」
少女がドアノブに手をかけた瞬間——。
ドアの向こうにいる人物が、盛大に大きな声を出した。
「なあ、聞いたか? 魔女狩り本部が、十四の女を採用したんだってよ!」
「ただでさえ十歳から十八歳の子供を使ってるのに、女って!」
「しかも十四! ちっせー! お子ちゃまじゃないか!」
あはははは、と豪快に笑う声が聞こえると同時に——。
少女がドアノブから手を放した。
そして、
どごっっ!
ドアを思いっきり蹴り破った。
しん……っとする室内。
しかし、その沈黙を破って、
「中央魔女狩り本部中等部二年、ノゾミ・ダリアスっ! あなた達魔女・魔法使いに強制連行指令が出されましたっ! 魔女、セリア・ゼルフィーネ、コラ・エレアノール、魔法使い、アレネ・エルメスト! とりあえずお前ら、手ぇー挙げろぉぉぉぉ!」
紅い拳銃を掲げ、堂々と宣言したノゾミに、クロは小さくため息をついた。
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