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Re: 【大会近いので】魔女守り! 【短編!】 ( No.322 )
日時: 2011/12/06 16:39
名前: 由羽 (ID: MKBom4Aq)
参照: http://www5.hp-ez.com/hp/yuugatasanji/page1


 新入式は当然ながら、雨の日によく訓練していた武道場で行う。
 ノゾミは歩きなれていたはずの道を、とある紙を持ちながらがちがちで歩いていた。

「……ノゾミさん……大丈夫ですか……?」

「大丈夫大丈夫。新入生代表の言葉を言うからって緊張なんてしていない」

 ひきつったノゾミの笑い顔を見て、クロはため息。

「顔がすべてを物語っていますよ……」

 そういわれ、ノゾミは思わず手に持っていた紙——新入生代表の言葉の台本——で顔を隠す。
 その光景を、近くを通った生徒が、妖しそうに見る。

「……にしても、あたしが新入生とかおかしくない? 復帰生とか、もっといい言い方があると思う」

「復帰生はないでしょう……それに、魔女狩りには、十八歳から十三歳までの子供なら、何歳でも入隊できるんですし。僕たち、見た目的には何も違和感ないと思いますよ?」

「だって、あたし十三歳で入隊したし」

「十四歳で移動になりましたけどね」

「言うなー! 若気の至りだ!!」

 そんな会話をし、ついについた武道館。
 ほんの三、四年間いなかっただけなのだが、なんだか懐かしく感じる。

「……うっし!」

 気合を入れ、ノゾミは中に入った。

 ——魔女守りのあのぼろい武道館を思い出しながら。