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　ノゾミとクロは、自分たちの荷物を取りに、魔女狩り本部に向かっていた。……重い足を引きずって。

　ノゾミには、『魔女狩り初の女子』にプラスして、『魔女狩り初の移動をした女子』という嬉しくない噂が流れているという。
まあ、これはついさっきばったり会った、グラ先パイから聞いた話だ。もしかしたら嘘かもしれない。

「うん、嘘だ。ぜぇったい、嘘だろう」

　プラス思考になり、なんだか気が軽くなったノゾミだが、やはり魔女狩り本部に行くと、
「ノゾミだ……」
「ノゾミが帰ってきた……」
「もしや、お礼参り……？」
　という有難くないひそひそ声が聞こえてくる。

「うっさいわ！　あたしがここにいて、何か悪いか！」

　うん、そりゃもちろん、という声が返ってくる。

「今もちろんって言ったやつ、あとでタイマンな」

　ぎろり、と睨んでノゾミはその場を後にした。