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Re: 魔女守り! ( No.37 )
日時: 2011/11/19 17:48
名前: 由羽 (ID: mOKQW.49)

 ノゾミの荷造りは、たったの数分で終わった。
 もともといらないものは買わない性分だったし、スーパーまで行くのもめんどくさかったからである。

 むしろクロのほうが大変だった。

「わあ、トランクがばっ、爆発しました!」
「ノゾミさん、何か袋、持ってませんかぁ?」
「たっ、助けてくださいノゾミさん!」

 クロの部屋から聞こえる悲鳴。

「……うっさい……」

 ノゾミは強くこぶしを握る。

「先行ってるから、クロー」

「待ってくださいよノゾミさん! もう少しなんです!」

「お前のもう少しが信じられると思ってんのか! ヘタレ!」

 ぴきーん。

 クロの部屋から何かが張りつめた感がした。

「……今ヘタレって言ったかーーっ!?」

 それからクロは素早く荷物をまとめる。
 いるものは持ってきた袋に。いらないものはぽいと投げ捨てる。

「ひっ、秘技、断捨離っ!?」

 ノゾミのそう来たか、という声。

「これはいらねーっ!」

「なんでいちいち捨てる荷物をあたしに投げてくるんだよ!」

「うるせーわーっ!」

 大乱闘になったノゾミとクロに、グラ先パイのげんこつが落ちたことは、言うこともない。
 ……そして、我に返ったクロが、断捨離で捨ててしまったものを嘆いたのも。