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Re: 魔女守り! ( No.44 )
日時: 2011/09/02 21:08
名前: 由羽 (ID: Lay1j2X4)


ぱたぱたぱたぱた……。
 
 みんなの足音が遠くなる。

「……待機って……」

 ノゾミが床を見る。

 見ると、しずくが一滴、垂れてきた。
 
 待機と、言われた。

 魔女守りは、魔女を守って魔女守りなのに。

『すぐ熱くなる』

 自分でも、自覚はあった。

 それなのに、


  直せていない。


 その事実に、今気が付いたのだ。
 涙の訳は、それだろう。

 あの時、おねねさんが最初に言ったとき、魔法使いがやけどを負ったとき、気づいていれば。

 ここで無力に突っ立っているだけではなかったのかもしれない。

「クロ……ごめんね……あたしは今、魔女守りなんだ。そのことに自覚を持ってなかった。魔女狩りは犯人確保が最優先なのに。ごめん」

「……謝るならおねねさんとあの魔法使いさんに言ってください。僕は謝るのには慣れているんですが、謝られるのにはなれていないんです」

 本当に困った顔で、クロが頭を掻く。

「行きましょうよ。現場に」

「……へ?」

「それがノゾミさんじゃないですか」

 元気づけたクロに、ノゾミは笑いかけた。