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——ここは、魔法が普及している国。日常生活に魔法が使われている。
　例えば、電気、ガスは使わない。
　気温だって、天気だって、国の許可が下りれば、自由に変えられることができる。

　そんな国は、メリットもあるが、逆にデメリットもある。
　魔法を使った犯罪が増えてきているのだ。

　あらゆる魔法を習得した人間、魔女、魔法使い。
　人々を助け、幸せにする人者もいる中、不幸にする者もいる。

　その魔女、魔法使いを取り締まり、時には強制連行指令——つまりは逮捕状を出し、抵抗する魔女などと戦い、時には相手も負傷させてもよい、警察官のような役割をしているのが、中央魔女狩り本部だ。

　子供の成長し続ける能力を必要とする拳銃、剣と用いて魔女を退治する『魔女狩る者』は、本来男子が一般としていたが、魔女狩りに対する異常な信念で魔女狩り本部に入ってきたのが、このノゾミ・ダリアスである。
　　　

「……と、説明はここら辺で宜しいでしょうか」

「うっさい、クロ！ お前も参戦しろ！」

「いや、僕はこーゆーことに一切慣れていないというかですね。って、きーてますかー」

　拳銃を取り出したくせに武術で対抗をしているノゾミに、呑気に声をかけるクロ。

「この状況考えろ、この、ヘタレ！」

　ぴっくぅーん。
　クロの耳が大きく動いた。