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Re: 魔女守り! ( No.8 )
日時: 2011/11/19 17:33
名前: 由羽 (ID: mOKQW.49)

「……失礼します。クロ・クンシラン、ノゾミ・ダリアスです……」

 張りのない声で部屋の奥に声をかけると、「お前ら、」と低い声が聞こえてきた。
 ノゾミたちが呼ばれたのは今年五年目の二十八歳の若い教官。そのため、声は大きいし熱血だし、いい評価を聞いたことがない。

「移動だ、移動だ、いっどうだぁぁ!」

 いきなり言われる。
 ええっ、と二人して近くにあった机を叩く。

「ええっ、じゃないだろう、当たり前だ! 放火だ、放火。放火レベルの大災害だっ! お前らも強制連行指令だっ!」

 落ち着いてください、とクロが声をかけるが、教官は落ち着けるかっ、と逆に荒げた声を出す。

「隣の民家まで被害が出たんだぞ! それなのにまあいけしゃあしゃあとそんなこと言えるな、おいっ!」

「クロ、いけしゃあしゃあって何?」

「…………」

 肩をすくめるクロ。

「ノゾミ、クロ。お前らは今日からここに移動だ」

 だんっ、と机を叩いて地図を出す。

「ここ……?」

『中央魔女守り本部』

「中央魔女守り本部……?」

 ノゾミの不審な声に、クロが反応する。

「あの、魔女守りってなんですかとか聞かないでくださいよ」

 その声が教官の耳に届いたのか、「ああっ?」とだみ声を出す。

「あのっきょっ、教官っ! 魔女守りとはっ、魔女に被害を出している凶悪な魔女を連行する、大変危険な仕事ですっ……。ですがほぼやる事は魔女狩りと同じで……」

 クロの答えは完ぺきだったらしく、「うむ。」と声を出す。

「若いのにうむって、」

「ノゾミ……?」

「すっ、すみません教官、空耳です」

「お前が謝ってるのに空耳だあっ?」

「まあまあ。……それで、僕達はその中央魔女守り本部に行けばいいんですか?」

「そうだそうだっ、さっさと行ってこいっ!」

 はい、失礼しました、とクロはノゾミを引きずって部屋を出たのだが。
『中央魔女守り本部』の下に書いてある、←(超弱)が気になってしょうがなかった。