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【2．一年生は問題児の集まり】



「えーっと…天野、さん?どの楽器希望かな?」
「何でも。あのでっけーだっさい楽器とかは嫌だけど」
「…チューバね」

困った。だいだいわたしは後輩の扱いとか得意じゃないのに!
しかもこの子態度大きいし。

「あ、そうだ、えっとあんた…部長?」
「小内真琴です、以後お見知りおきを」
「真琴、あたしの友達も二人来るから。同クラの」

まじですか。この子が三人になると思うと…

「今日は委員会だって言ってたから…もうすぐじゃね?」
「そうなんだ…」
「…と、あ!来た来た!遅いぞ一葉、桃果!」

走ってやってきたのは真面目そうな女の子二人。
ホントに天野さんの友達?

「わたし達入部希望なんですけど…
　江本一葉です、希望はクラです!」
「わたしは桜井桃果です、希望は…えっと…うーんと…」

可愛い。こんな後輩がずっと欲しかった!!
ギャルでもなく、生意気な男子でもなく、ぶりっ子でもなく！

「桃果ちゃん、楽器の希望は色々見てからでも大丈夫だよ。
　一葉ちゃんは…クラに行く?楽器は学校のを借りようか」
「あ、大丈夫です。
　わたし小学校の器楽クラブでクラやってたんで…楽器もあります」

救世主!神様!

「本当に?じゃあいますぐ練習しよう!わたしもクラなの!仲間!ビバ☆後輩!!」




知「あー、真琴壊れちゃったよ」
環「練習熱心だよねぇ、真琴ちゃんって」
知「練習熱心だったらもうちょっとまともに吹けるでしょ」
環「天野さん絶対怒ってるよねぇ、一葉ちゃん、桃果ちゃん、なのにあの子だけ苗字にさん付だもん」
知「…そうだね」