コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

第1章 大丈夫じゃない、問題だ[吉野] ( No.113 )
日時: 2011/09/25 19:14
名前: とろわ (ID: 3QDumk2O)

「それじゃあ始めるか。…出欠おねがごじじゃっず」



………。
開始早々噛むというアイタタなハプニング発生。
八割ぐらいが口を押さえて笑いをこらえ、残りの一割は一部の二年(主に夏月など)がガハハハと笑い、最後の一割(みさなど)は俺をフォローしてくれた。
ちなみに俺の頬はじわじわと熱がこもり始めている。手はぷるぷると震え、数人ににやにやしながら見られているという屈辱にもう泣きたい。しにたい。樹海に飛び込みたい。

「んじゃー、出欠おねがごじじゃっずしやーっす」「おい夏月表出ろ」

俺の心にドリルで穴を開けるんじゃねえ…!!夏月ィィィィィィィ!!!

「へいへい、真面目にしますよ。——吉野圭人君」
「はい」
「桜花吹雪ちゃん」
「はい」

とまあ、そんな具合で夏月が出欠をとっていき、順調に体ほぐしが進んでいった。

途中、次に何するかド忘れしたので周りの奴らに聞いたら「しっかりしろよ部長ーw」「少しは考えろよミソッカスwww」とか言われる始末。現実ってつめたぁい!!
まあ、それ以外は特に噛むことも無く、普通に進められたんですけどね。


「———それじゃあ、基礎合奏するので椅子を戻してチューニングしてください」

「「「「はい」」」」

ふう、緊張する。

譜面台を運びながら、俺はそう思った。
自分の定位置に置き、椅子に腰かけ、リードでぺーぽーと吹き、チューナーを出して、チューニングをする。
…相変わらず音がカスカスしている。いつか直すし!絶対直すし!

「えっと———…。チューニング終わったら吹くのを止めてください」

「「「「はい」」」」

しっかし、今までよく先輩出来てたよなあ。
前部長の顔がちらつく。しかし良い先輩だったな。うんうん。



「それじゃ、基礎合奏始めます」

いちいち緊張するが、くよくよしてもしゃーねえか。