コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 第1章 大丈夫じゃない、問題だ[音風] ( No.137 )
- 日時: 2011/10/09 18:23
- 名前: とろわ ◆DEbEYLffgo (ID: 3QDumk2O)
「はぁ………」
——今日も先輩に全然聞いてもらえなかったな…。
パイレーツ合奏のために音楽室へと移動中、私はそんな事を考えていました。
…あ、どうも。初めまして。
ユーフォニウム担当、一年の音風香音といいます。
音が並んでいるのであだ名は「音ちゃん」とか音を抜いた「風香」ちゃんとか言われます。
…まあ、話しかけられる事自体珍しいんですけど。
虐められている訳では無いのですが、なんせ影が薄いのです、私…。
なので、しのん先輩には気付かれない事が多いのです。しくしく…。
「———,———————?」
「—————,———!」
近くで同い年であり、フルートの金森毬菜ちゃんと蒼山聖弥ちゃんがなにやら英語で話をしていました。
二人ともハーフで、毬菜ちゃんはアメリカからの帰国子女、聖弥ちゃんはモデルをしています。
ちなみに、聖弥ちゃんは某人気雑誌で表紙を飾った事もある超人気モデルで、何故都会でもないこの市のこんな学校に通っているかは不明。
ひそかに聖弥ちゃんのファンクラブもできているという噂。でも多分あるだろうなあ。
まあ、そのお陰でなかなか部活や学校に来れないみたいだけど。
なんて、ぽけーっとそう考えていると、二人が私に気付いて驚いたような顔をしました。
ぼそりと「いたっけ…」と言っているような気もするけど気のせいという事にしよう。
「ほほほ、ほんまにびっくりしたー!音ちゃんいたん?」
「ちょっと早くに学校には来てたケド…」
「そうだったんだ…。ごめんね、気付かなくて」
「なんか友達失格やわー!い、今なら殴ってもええでー?」
「いや、そんな事出来ないよ…。はははっ」
私は手を高速で横に振りました。
そうそう、聖弥ちゃんはテンションが上がると関西弁になります。
最初聞いた時はびっくりしたなあ…。今は慣れたけど。
「しかし、二人とも発音いいよね。流石ハーフ」
「ふふふ、お陰で期末とかラクショーなんよー!もっと難易度上げてもいいと思うんやけどっ」
「そうだよねー。いっその事東大レベルに…」
「他の人が出来ないから是非止めてください」
この二人だとそれでも普通に百点取れそうだから怖い。
…と、そんな会話をしてると、後ろから元気な声が聞こえてきました。
「やっぱりー!最強パーティといえばカ○リューと○ンギラスとボー○ンダとラ○ィオスとガブリ○スと○ザンドラだろ!」
その声の主はクラの高瀬大地君。
その隣にはバスクラの斎賀祐斗君がいました。
「…お前どんだけドラゴン系のポ○モン好きなんだよ。後厨○ケ」
「だって強そうだしかっけーし実際に強いし!!」
「んまあ、あながち間違ってはいないけどよ」
「そんな事いうなら、お前だって女が持ってそうなポ○モンばっかじゃねーか!ト○キッスとかミロ○ロスとか」
「馬鹿だな、強ければいいんだよ」
………なんか、凄く懐かしい会話をしている。
というか、二人ともまだやってたんだ、ポケ○ン。懐かしい。
「っと、音ちゃん。合奏遅れちゃう前に早く移動しよう?」
「あ、そうだね。ありがと、毬菜ちゃん」
急がないと遅刻しちゃうーっ!