コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 第1章 大丈夫じゃない、問題だ[吉野] ( No.160 )
- 日時: 2011/10/14 17:51
- 名前: とろわ ◆DEbEYLffgo (ID: 3QDumk2O)
「……………」
…どうしてこうなったんだろう。
この場にいるほぼ全員が沈黙。1人は奇声をあげている。
———ちなみに、その1人というのがあの残念な顧問だ。
「おー、よちよち。かわいいでちゅねぇ」
「ミー」
無駄に気持ちが悪い声のおっさん(恐らく語尾にハートマークがついている系)と、それに可愛がられている猫。
猫。
………猫。(大事なことなので略)
何故か音楽室にペルシャ猫がいる。
この場にいる殆どが「どうしてこうなった」と考えているだろう。
まあ、一部の残念な奴は「猫可愛い…」とか「先生可愛い…」とか思っているんだがな。
…ところで、このおっさんのどこが可愛いかが分からない。
———まあ、こうなったのはこんな理由がありまして。
合奏中、突然窓から猫の鳴き声が聞こえてきた。
一旦演奏を止めて鳴き声の方をみると、やっぱりそこには猫がいた。…なんでだ。
優雅な銀色の毛で、透き通ったブルーの瞳。
そんなペルシャ猫は、おっさんの方にとてとてと寄り、おっさんは驚いたような顔をしていたが、すぐに幸せそうな表情に変わり、「はわ〜ん、リースちゃあぁん」とかいう奇声をあげた。
勿論、全員の頭に「!?」が浮かんだ。
大抵の人間は口をぽかーんと開け、そんな馬鹿なwwwみたいだった。そりゃそうだ。俺だって驚いたし。うん。
でも、驚きのあまり声をあげるとかは無かった。
何故なら、前にも何回かこうなった訳で。
流石にそこまでオーバーに驚かなくなったが、やっぱりビビる。音楽室in猫には。
さて、戻ろうか。
「こーらっ、勝手に車から出てきちゃ駄目じゃいかっ」
「ミー………」
って、連れて来てたんかよこのおっさん!!
「でも、可愛いから許すっ!ぎゅーっ」
「ミャーオ」
はははきめぇ。何この光景。
段々皆もこの状況に慣れたのか、何人かは個人練習をし始めた。
…まあ、こうなると先生合奏しなくなるからなあ。何言ってもきかねーし。
とは思いつつも、やっぱりこれはいかんだろうと思ったので先生にすごすごと近づき、時間がどうのこうのとか言うことにした。
「…あの、先生。そろそろ練習しないt「可愛いなあリースたんはぁっ!よしよーし、なでなでーっ」
「ミー」
「………」
この腐れジジイめ………!!
心の底からそう吐き捨てると、それを察したかのように愛里が
「…うちらだけで練習しよう」
と言った。
そうした方がいいかと思ったので、メトロノームを取り出し、みんなで合わせ始めた。
…ほんとに最悪だなこの教師。