コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

第1.5章 ( No.203 )
日時: 2011/10/29 22:12
名前: とろわ ◆DEbEYLffgo (ID: 4yuxSnKU)

‐一条 ミヤビ‐


「なあなあ、聞いてくれへんー?」
「ん、どうしたの聖弥ちゃん」

フルートのハーフコンビこと、毬菜と聖弥は、今日もワイワイと話をしていた。

「昨日、雑誌の撮影があったんやけどー」
「うんうん」
「なんとなんと、あの一条ミヤビにあったんよー!!」
「え、本当に?!」

毬菜が目を丸くしているのを見て、聖弥は満足げな笑みを浮かべる。

「もう、テレビとか雑誌とかで見るのよりもほんまにかっこええんよー!あの優しい性格って、作ってる訳じゃなくて素なところがホンマに惚れるわぁ…」
「いいなぁ、私もミヤビ様に会いたい…」

2人は幸せそうなオーラを浮かべた。




一条ミヤビは、今超人気のモデルで、年齢は14歳ぐらいといわれている。
そのルックスと性格でたちまち人気となったが、本人はしっかり学校にも通っているらしいので、テレビなどで頻繁に出ている事は無い。
だが、彼が出る番組は必ずと言っていいほど高視聴率となる。

また、最近一条財閥の息子である事が発覚し、世間を騒がせた。今は一条財閥の広告塔にもなっている。
ちなみに、本名は一条雅。読み方はそのままミヤビである。




と、そんな会話をしている所に、たまたま駿が通りかかった。

「あ、駿先輩ー!」
「ん、何だ?」

毬菜は駿を手招きし、駿は少し戸惑いながらも2人に近づいた。

「今、一条ミヤビ様の話をしていたんですよー!」
「…ああ、あのモデルの?」
「そうそう!…しかし、先輩って———」

そう聖弥が言いかけた途端、駿は嫌そうな顔をした。
聖弥はその様子を見て、慌てて口をつぐんだ。
そうして、小声で慌てて謝ると、駿の表情は少し柔らかくなった。

「あ、すまん。…その、その話だけは止めてもらいたいから」
「すみません…。嫌なんですよね、そういう事言うの」






駿は基本何を言われても気にしないのだが、唯一気にすることがある。
それは、彼の外見の事だ。

川澄駿は、初対面の人間によく一条ミヤビだと勘違いされる。
それほどまでに外見が似ているのだ。
だが、駿はミヤビとは正反対の暗い性格で、顔もいつも無愛想である。

駿は「自分は自分なのだ」と言って似ていることを否定している。
その事について言うと駿に毛嫌いされるので、半ば暗黙の了解となっている。


「んま、別に話ぐらいなら聞いてもいいけど」
「本当ですか?!」
「私も詳しく知りたいー!」
「ふふふ、それなら一杯話しますねっ!」


それから、聖弥は嬉々としてその事を話した。







「ははは、アイドルのよさが分からない」
「やっぱり二次元ですよねーww」
「というか自分的にはジェ○ガイワールドに飛んでいきたいんだけどねウェヒヒwwww」
「…歪みないね、夏月ちゃん」

と、その様子を見て腐女子2人はいつもの会話を繰り広げていたのはまた別の話。