コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 第1章 大丈夫じゃない、問題だ[桜花] ( No.29 )
- 日時: 2011/09/16 16:54
- 名前: とろわ (ID: .LAqCeSy)
三年が抜けてからの初めての部活。
田んぼ沿いの道を歩いていると、突然聞きなれた声が聞こえてきた。
「おっはよー、ふぶっちゃん」
と、私——桜花吹雪に話しかけてきたのは、今のところ家が近所のなっちゃんこと叶野夏月だった。
何故今のところなのかというと、なっちゃんは仮引っ越し中でアパートに住んでいるからである。というのも、なっちゃんが前住んでいた家を取り壊して、今新居を建設しているからなんだけど。
真っ先に私を誘うね、と笑顔で言ってくれた。今から楽しみすぎて日本刀を研ぎすぎてしまうぐらいドキドキする。
「おはよっ、なっちゃん」
私がそう言うと、なっちゃんは私の腕を引っ張って走り出した。
足はあんまり速くはないんだけど、いきなりだったから思わず転びそうになったけど、なんとか転ばずに済んだ。
「よっし、今日はダダダダッシュで行くぜぃ!」
なっちゃんは体力ないから途中で急停止するだろうなあと思いながらも、私は頑張って走り続けた。
結局、途中から歩いて行ったけど、いつもよりは早めに着いた。
でも、早い人はとことん早い。しのんちゃんや愛里ちゃん、清香ちゃんはもう楽器を組み立てて吹いている。
そうそう、愛里ちゃんは澤村愛里といって、木管のセクションリーダーをしている。楽器はフルートで、嵐の○野君が好きらしい。
ま、私は断ッッッ然二次元派だからそういうのは興味ないんだけどね!
で、清香ちゃんは沖本清香といって、フルートのパートリーダーをしている。清香ちゃんは二次元派(○カロが好きらしいが、私はそこまで好きではない)。
「お願いします!」
なっちゃんが音楽室の扉を開けて、大声でそういった。
すると、音楽室にいた皆もお願いしますと返事をした。
まあ、これはうちのブラバン初めの恒例行事なんだけどね。というか、他にもこういう風にやってるところがあるのかは分からないんだけど。
「お願いします」
「お願いします!」「おねがいしまーす」「お願いしますっ」
これをやると、「うし、やるぞ!」という気持ちが込み上がってきて、なんだか嬉しい。
私はスクバを置いて、ロッカーからクラの鞄を取りだした。
この間まで先輩が使っていたクラを今度は私が吹く。
なんだかそう思うとドキドキしてくる。頑張らないとな、副部長だし。
「おおっ、綺麗なクラだねー」
「なっちゃんのだって綺麗じゃん」
「へへへー。まあ去年のクリスマスに買ってもらったペットだしねぇ」
さらりと自慢されたが、いつもの事なので華麗にスルー。
でも、いつかは買ってもらいたいなあ…。ま、無理だけどね!