コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

第1章 大丈夫じゃない、問題だ[井野] ( No.40 )
日時: 2011/09/17 20:49
名前: とろわ (ID: 3QDumk2O)

吉野と吹雪ちゃんが月見里先生のところに行っている頃。



「おねがいしまーす」

と、私——井野結華は音楽室にはいった。
その後、スクバを置いて、ロッカーからトロンボーンのケースを取り出し、ケースを開けてトロンボーンを組み立て始めると、夏月ちゃんに話しかけられた。

「おはよ、結華ー」
「ああ、夏月ちゃん。おはよー」

夏月ちゃんとは仲が良く、普段からよく話している。
愚痴から腐的な会話まで様々な事を気軽に話せる相手。やっぱ気が合うっていうのはいいよねー。
でも、今は夏月ちゃんが仮引っ越し中だから、帰る方向が逆なんだよね…。早く戻ってくるといいんだけど。

———ってあれ、そういえば吹雪ちゃんは一緒じゃないみたいだな。
なんて思っていると、夏月ちゃんが私の気持ちを察してくれたかのように

「あ、ふぶっちゃんは副部長だから、今日の予定聞きにいってるよー」

と言ってくれた。
そういえば、そうなったんだった。なんかすっかり忘れてしまっていた。
道理で人が少なかったのか。なんか先輩が抜けちゃうのは寂しいなあ。

「お、誰かと思えばいのっちじゃん」

突然、チューバのオイルを塗っていた杏子ちゃんに話しかけられた。

「いのっちって、いつも思うけどなんだよ…。まあいいや。杏子ちゃんおはよっ」
「いいじゃんいのっち。ボク的にはイケてると思うよ」

相変わらず謎のセンスだよなあ、杏子ちゃん…。


あ、何で杏子ちゃんの一人称がボクなのかと言うと、杏子ちゃんは男の娘なのです。つまり、立派な日本男児なのです。
後、本当の名前は兎沢杏。杏子ちゃんとは本人がそう呼んでほしいらしくて、女子には普通にそう呼ばれている。
でも、初めて杏子ちゃんをみる人は大抵ビビるんだよねえ。女子が男子の制服着てうろうろしてるみたいだし。
…しかし、男の娘っていい感じに萌え要素があるよね。こういうキャラは腐女子にもオタクにもウケるから尚更素晴らしい。

「私を置いて話をされるとヘコむーよー」
「ああ、ごめん夏月ちゃん」
「大丈夫。ボクはかののんを放置するような冷たい人間じゃないさっ」

夏月ちゃんの言葉にすかさず私達がフォロー。
いやしかし、仲がいいって素晴らしいよね……。うん、いつも不憫な扱いされるけど!泣いてないから平気だけど!

と、そんな事を話していると、背後から何か気配を感じた。
後ろを振り向くと、そこには——

「よ。不憫」
「不憫とかいうな!不憫ちゃうわい!プ○イセンちゃうわい!というか、眼帯に言われたくないわい!」

何故か普段から眼帯をつけている、染谷涼に話しかけられた。

「いいじゃん不憫なんだしー」
「そうそう。お前は一生不憫なんだよ、アンドレ」
「諦めるんだいのっち。人生時には諦めも重要だよ」
「何なんだよもう!!」

流石に三人連続で言われると傷つくんですけど!
…ってか、アンドレって何。誰。Who is Andre?

「ふふふ、アンドレはな…。何だろう」
「なんだそれ。いや、私はどういう反応をすればいいのよ」


相変わらず夏月ちゃんは不思議なテンションの人だよなあ…。