コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 第1章 大丈夫じゃない、問題だ[高瀬] ( No.57 )
- 日時: 2011/09/18 19:06
- 名前: とろわ (ID: 3QDumk2O)
「はい、それじゃあチューニングしてー」
叶野センパイがそう言うと、皆がチューニングし始めた。
オレ、高瀬大地はまだ中一。クラを初めて半年も経ってないひよっこだ。
だから、いまだにB♭や他の音があってない。それをよく桜花センパイにつつかれてるけど、めげずにやるのがオレのモットー。ただやみくもに頑張っているのだ。
でも、ただチューニングするのはつまらないから、隣にいる、同じく一年でクラの涼宮咲哉(男)をからかう事にした。
オレは大きく息を吸うと、にやりと笑って咲哉にこう言った。
「くらえ!リードミス攻撃ィイイッ!!!」
GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGG!!!!!!!!!!
咲哉の耳元にリードミス(ググれば分かるはず)のつんざく高音が響く。
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!!!!!!!!」
発狂する咲哉。ハハハおもしろーい(棒読み)
しばらく出し続けていたら、咲哉がゾンビみたいな顔をしてきていたので止めてやった。
「……だーがーぜー?」
「ハハハ、面白い顔だな咲哉!ああ、でも元からだったかあ、ごめんごめん!」
「本当に怒るよ?富士山大爆発だよ?」
いや、富士山大爆発ってガチでシャレになんないんだけど…。
——そういや、ツッコむポイントがズレてるって言われてるけど、何でだろうな。的確すぎないか?
なんて思ってると、聞き覚えのあったが、恐ろしくドスの利いた声が耳に響いた。
「おい、高瀬」
「ん、どうしたんだよーゆーうとっ」
「……。分からないのか?リードミスの音をわざと出すんじゃねえって事が言いたいんだよ。馬鹿なのか?頭沸いてるのか?」
そいつはオレの幼馴染でバスクラを吹いている斎賀祐斗だった。
「なあ斎賀!俺こいつ殴りたい!!レベルを上げて物理で殴りたい!!いいよな斎賀?」
「別に俺は構わないが」
「ちょっと祐斗ー。酷くないかそれ?」
祐斗は冷たいなー。もう少し優しくしてくれたっていいじゃんかよー。
まあ、オレ達は仲いいし、いつもの事だから気にはしてないんだけど。
「とにかく。さっさとチューニングしろ。先輩達、いいや、全員が俺達の事ガン見してる」
「え、マジで?!」
慌てて辺りを見回すと、オレ達の事を皆がじっと見ている事に気付いた。
鈍いなー、オレ。うんうん、鈍感なんだな!オレ!
ちなみに、一番冷たい視線は川澄センパイだった。恐怖を覚えるほどだったので、オレはチューナーを引っ張り出してチューニングした。
そういえば、さっきの会話の途中、叶野センパイと井野センパイが何か話していたな。
「結華。やっぱりあの二人BLチックだよね。大地君と祐斗君」
「分かる分かる。むしろ分かりすぎて辛い」
「なんかさ、キャラで例えるとア○フレッドと○ーサー的な」
「後○也とト○ヤとかー」
「ああ、将来声変わりしたら松○保○さんと○安○人さんヴォイスになればただの俺得なのにー」
………?
オレにはよくわからない単語達だった。