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Re: 刻の扉  ( No.10 )
日時: 2011/09/16 22:16
名前: 水鏡 (ID: ySP8nr/s)
参照: http://ameblo.jp/686-7777/image-11019595611-11486431935.html

2| ミナミ

「ごめんねミナミ!!」

家のお手伝いが終わり約束の時間を大幅にオーバーしてしまった事を友達のミナミに謝る

「いや…… 中々来ないから心配したんだけど(笑)」

ミナミは笑って許してくれた
ミナミはあたしの家の事情を知ってたりとかで仲が良いんだ

「じゃあ 遊ぶか!!」

あえて遅れた理由を聞かないのもミナミの優しさだと思う
一番の友達であり、よき理解者でもある
だから 叔母さんに嫌な事押し付けられても頑張っていけるのは
ミナミがいるからだと思う

「ってもう昼過ぎじゃん!!」
「あっ!! ごめんあたしが遅れたせいで……」
「いや いいってて!!
気にすんな!!」

笑顔で言うミナミのお腹がグ〜っと鳴った

「そーいや 昼飯食べてねぇなー」

あたしもイロイロしてたら朝ご飯を食べるの忘れてたからお腹空いたよー…
今日はお昼抜きだし……

「シアは? ご飯食った?」
「えーと…… うん!!食べたよ!!」
「……へ〜」

嘘だよー
夜までご飯抜きだなんて……
まぁ 一日中食べさせてもらえなかった日もあったけど……

「じゃあ オレは食いに戻るな!!」
「あっ うん!! じゃあここで待ってるね!!」

スグ帰ってくるからと言ってミナミは家がある方角に走っていった

あたしはボーッと空を眺めていた
青く澄んだ空に浮かぶ雲がゆっくりと流れる
時々 飛行機が飛んで飛行機雲を作る

当たり前だけど それも何もかも時が流れてるからなんだよね……

【時】  か……

あたしはポケットに入れた懐中時計を取り出して眺める

その時計はお母さんとお父さんがあたしに遺してくれた物

金色の鎖に繋がれた懐中時計
ちょっと古い物っぽいけど傷一つないキレイな懐中時計

この時計には不思議な力があるんだ……
あたしにも お母さんにもお父さんにも……

「シアーーーー!!」

その声にハッとして顔をあげる

ミナミがこっちに向かって走ってきているのが見える
あたしは懐中時計を再びポケットにしまい立ち上がった