コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 刻の扉  ( No.14 )
日時: 2011/09/17 15:23
名前: 水鏡 (ID: ySP8nr/s)

4| シナン

「へぇ〜」

あの後家に帰って 夜ご飯を食べながらシナンちゃんと話していた

「そうなんです」

シナンちゃんが話してくれた話はあたし達『時使い』の事
実は あたしが時使いって事をシナンちゃんは知ってるんだ

「時使いは本来時の国というところで勉強をしてですねーーーー……」

シナンちゃんが何でそんな事を知っているのかが謎だけど……
今日は叔母さんが親戚の家に行ってるから家にはあたし達二人だけ

「シアさんはきっと良い時使いになりますよ」
「そうかなーーーー?」

時使いっていうのは千人に一人の割合で産まれるらしい
時使いと時使いの子供は時使いなんだけど
でも 何でもない人から産まれたりするから一生気付かない人もいるの

そういう人達やあたしみたいに時の国で暮らしてない時使いは力が弱まり
いずれはその力が消えてしまうらしい

「ところで……」
「何?」

シナンちゃんが真剣な顔であたしを見つめる

「シアさんはこのままでいいんですか?」
「そりゃあ……」

あたしだって良くはないと思ってるけど……

「シアさんのお母様とお父様は時使いの歴史に残るほどの高名なお方でした
だからシアさんにしか出来ない事があるんです。」

あたしにしか出来ない事……?

「お二人が亡くなられた
それを無駄にしてはいけません」

お二人って お母さんとお父さんの事?

「シナンちゃん あたしのお母さんとお父さんが何で死んだか知ってるの?それにあたしにしか出来ない事って……」

なに……?

「それは……
詳しくは言えませんが……」
「…………」

それからは沈黙が続いた
シナンちゃんが何を考えてたか何てわからない
あたしは お母さんとお父さんの事で頭がいっぱいだった
あたしを産んでスグに死んだってきいたけど
何で死んだかは知らない……

ポケットに入れておいた懐中時計が温かくなった気がした
あたしはポケットから懐中時計を取り出してしばらく眺める

この時計はあたしの知らない事を沢山見てきたのかな……
真実も真相も……