コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 刻の扉 ( No.16 )
- 日時: 2011/09/17 16:55
- 名前: 水鏡 (ID: ySP8nr/s)
6|どうする!? こうする!!
青い空には白い雲
清々しい朝がきた
今日もいつものように小鳥の鳴く声で目を覚ます
本当 争いがあるなんて誰も思わないようなそんな朝
「今日もいい天気だね
遊びには絶好の天気♪」
あたしはウキウキした気持ちで服に着替える
昨日までの暗い気持ちもどこへやら
いつの間にか消えてなくなってたみたい
ガチャッ
扉を開けて階段を下りようとすると後ろから誰かに呼び止められた
「シアさん」
「あっ シナンちゃんおはよう」
「おはようございます
あの……今からお出掛けですか?」
「うん 友達と遊ぶんだ!!」
「そうですか……」
シナンちゃんは何か言いいたそうな顔であたしを見てくる
「どうしたの?」
「えーっと あの私もついていっていいですか……?」
シナンちゃんの口から出たのは意外な言葉だった
「えっ?」
あたしは思わず聞き返す
「あの 私もついていっていいですか?」
「別にいいけど……」
そういえばシナンちゃんって外で遊んだ事あるのかな?
ずっと家にいるし……
たまには 遊びたいのかもしれないよね☆
そう 勝手に解釈してシナンちゃんを連れて行く事にした
「どこで遊ぶんですか?」
「まだ決めてないよ」
「えっ?」
シナンちゃんが驚いたような顔であたしを見る
シナンちゃんにいわせれば計画してないのが不思議なんだろうな
「あたし達いつもその日の気分で好きな場所に行くからさぁー」
「そうなんですか?」
へーっと何かに納得したような感じで言いながら前を向いて歩き出した
「シナンちゃんって普段外で遊ぶ事ってあるの?」
「ないですよ
今日が初めてです……」
嬉しそうに笑いながら周りをキョロキョロ見ていた
まさか 外に出たのも今日が初めてだったりして……
あたし達の国には学校の制度がなく家で自主的に勉強する事になってるの
だから滅多に外には出ない人も多い
食べ物とかは家に売りに来てくれるから
仕事も内職とかしてたら尚更……
それにしてもあんな楽しそうなシナンちゃん初めて見たな〜〜……
石畳を駆け足であたしの元へ戻ってくる
「シアさん アレ!! アレ何ですか?」
「えっ?」
シナンちゃんが指差した方角 空の方を見る
「あっ 風船の事?」
そこには赤くて丸い風船が空に昇っていっていた
誰かが手を離しちゃったのかな?
「風船? 風船ってゆうんですか?
何で 浮いてるんだろ……」
不思議そうな顔でシナンちゃんは風船を見つめていた
「あっ……」
「どうしたの?」
見ると 風船をカラスがくわえて木の上に持っていっていた
「うわーん マキの風船がー!!」
後ろの方で声がして振り返る
そこには涙目で風船を見ている女の子が立っていた
この子の風船なのかな?
「あなたの風船なの?」
「……うん…… でも手を離しちゃってー うわーーん」
そう言うと泣き出してしまった
「シアさん……」
シナンちゃんがあたしと女の子の方を見比べながら言葉を続ける
「それって ないといけない物ですか?」
自分より年下の子にも敬語使うんだ……
「うん……
お父さんがねーー マキにってくれたのーー!!
でもお父さんなかなか帰ってこないからーー うわーーん」
この子のお父さんこの子と離れて暮らしてるのかな?
あたしがそんな事を思いながらシナンちゃんの方を見る
シナンちゃんは何かを考えてるような感じで風船を見ていた
「お父さんとの大事な風船……」
ボーッとしながら独り言のようにそう呟いていた
「私取ってきます!!」
そう言うとシナンちゃんは風船がひっかかてる気の方へと走って行った
「えー!? ちょっとシナンちゃん!!」
取るって言ったって 木登りできるの!?
明らかにできないでしょ……
「待って シナンちゃん!!」
どうしよう……
女の子の風船も助けたいけど
シナンちゃんって危ないよ
まだ小さいのに……
「まって シナンちゃん!!
あたしが取るよ!!」
気付いたらそう叫んでいた