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Re: 刻の扉  ( No.17 )
日時: 2011/09/17 17:19
名前: 水鏡 (ID: ySP8nr/s)

7| アキ

「頑張って お姉ちゃーん!!」

女の子があたしにそう叫んでるのが聞こえる

「うん ちょっと待っててね!!」

木登りは得意だから大丈夫だけどカラスが……

「あとちょっとだよ!! 頑張ってー!!」

女の子がぴょんぴょん跳びはねながら嬉しそうに言う

ホント もう少しなのに
カラスが邪魔!!
シッシッと手でやるけど無反応
それどころかあたしに向かってクチバシをつきつけてくる
それを避けるので精一杯

「邪魔だって!!」

そんなのカラスに通じるハズもなく…… 
無視された

それより何でそんなに風船が好きなのよ!?
光る物が好きって聞いた気がするんだけど……

下を向くと心配そうな顔で二人共あたしを見てる

「大丈夫……」

そう言いかけた時カラスが一際大きな声で鳴いて飛び去った
あたしは驚いて落ちそうになったけどなんとか体勢をたてなおした

でもよかったこれで風船が取れる

「おい!!
お前何してんだー!?」

下の方で声がして顔を下に向ける

「アキ!! どうしたの!?」

アキっていうのはあたしの友達
片手で石を投げながら不思議そうにあたしを見ている

「どうしたのはこっちが聞きたいね……」
「あっ ちょっと風船を取るために木登りを……」
「はー? オレが助けなかったらお前死んでたぞ!!」

そんなオーバーな……
それに助けたって……
もしかしてアキがカラスに石を投げて追い払ってくれたのかな?

「ありがとー」

あたしは風船を掴むとスルスルと木をおりた

「はい 風船!!」
「ありがとうお姉ちゃん!!」

あたしは女の子に風船を渡した

「つーか 何でここにマキがいんだよ」
「えっ? 知り合い?」
「いや 兄妹」
「えぇーー そうだったの!?」
「似てませんね」
「ん? 誰? この子」
「あたしの妹のシナンちゃん」
「あぁ この子がお前のなー……」

アキもイロイロと事情を知ってるから詳しく聞いてくる事は無かった

「それより ミナミと遊ぶ約束してるんだった!!」
「シアもか? オレもー!!
一緒に行こうぜ!!」
「うん!! 行こうシナンちゃん!!」
「じゃあなー マキ気を付けて帰れよ!!」

あたし達は石畳を走っていった