コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 刻の扉 ( No.23 )
- 日時: 2011/09/18 21:31
- 名前: 水鏡 (ID: ySP8nr/s)
11| 決行
あれからあたし達は石畳の路地をわきに入り、ミナミの家へと向かった。
細い裏路地を横歩きしながら進んだ先にミナミの家の裏口がある。
ミナミの部屋は裏口に近いところにある為、叔母さんに気付かれずに抜け出す事が出来るからだ。
コン コン 裏口をノックしてミナミが出てくるのを待つ。
ミナミはスグ出てきてくれた。あたし達の顔を見ると驚いた顔をしていた。
「どうしたんだ?」ミナミが声を潜めて言う。
視線はあたし達が持ってるカバンに移される。
「あたし達も行く事にしたの」あたしは、はっきりとそう言ってのけた。
「えっ……」案の定不審がった声をあげた。
「私達も行くことにしたんです。
ミナミ君の思いが本当なら今日の夜にでもこの町を出たいと思ってます。」
シナンちゃんがミナミの目をみつめながらはっきりとそう言った。
「オレも今夜出るつもりだったから準備は出来てる。」
「なら 策せんを考えましょう。」
三人共声を潜めて話合った結果、一番最短距離で行けるルートは避けて、
あえて遠回りになるルートから行くことにした。
この町を直接抜けるには夜でも見張りがいる為、南の森を通る事にした。
北の関所を通れば三日で行けるけど、見付かるとヤバイから一ヶ月かかるけど安全なルートを選んだ。
南のルートは森を抜けた先に町が何ヵ所かあるから注意しなければいけない
「決行は今夜、月が丁度北を照らした時だ!!」
「わかった!!」
それまでは三人共持ち物の確認をしたり、この先の事について話たりした。
そしてーーーーーーーー……
月が丁度北の空の上に昇り、関所を照らし始めた。
「行くぞ!!」
それを合図にまったく人気のない裏路地を音をたてないように走り出した。
さようなら、ありがとう、バイバイ、いろんな思いを胸にあたし達は南の森まで走った。
暗くてよくわからないけど南の森の前に立ってる立て札の横を通りすぎる。
あたしは暗い町に背を向けて森に足を踏み入れた。
ガサッ……。乾いた落葉を踏む音がきこえる。黒い影がこっちに向かって歩いてきているのが分かる。
(誰!?) 緊張がはしる。
「やっぱりな…… ここを通ると思ってたぜ」
身構えてたミナミが驚いた声をあげる。
「アキ……」
そう、そこにいたのは、紛れもないアキだった。
「止めてもきかない奴らだろ
オレもリディンの手前の町までついて行く。」
アキの口から出た意外な言葉に三人共唖然。
あんなに拒否して、あたし達を行かせまいとしてたのに……。
「お前達が時使いだという事実が変わらない以上、その事実をオレは真正面に受けてお前達を必ずしも時の国に連れていく。」アキが静かにそう言った。
「ありがとう」ミナミが強いけど優しい目でそう言った。
こうして四人の冒険が始まった。