コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

8 ( No.10 )
日時: 2011/09/25 22:20
名前: すずか (ID: 3TVgjhWp)

 ブロロン、とエンジン音がしたので振り向くと、大型バスがグラウンド手前に停車していた。くそ、こっちは各自集合だったのに向こうは金あるのな。わらわらとオッサン達、時々2,30代の若めの人が降りてくる。あー、そりゃ負けるよな。だってまず初期装備がユニフォームだし相手。こっちもんぺとかいるし。

「おう柳田さんや、毎年毎年懲りないねえ」
「あ、当たり前だ」

 オッサンの1人がニヤニヤしながら柳田さんに声をかける。何かうぜーむかつく。

「うわっ、向こうジジイばっかじゃん」
「俺らが出る必要無くね?コールド勝ちしちゃいそー」

 うわ更にむかつく。でもその意見には全面的同意。

「じゃあ、まあ整列しましょうや。誰も倒れないように気を付けてくださいよ、ひゃっひゃっひゃ」
「卓巳、俺はあいつの鼻をへし折りたい」
「奇遇だな俺もだ。だけど俺らじゃ無理だな」
「何とかしろよ写真部」
「フラッシュで妨害ぐらいしかできねーよ。カメラないけど」
「それすらもできねーじゃねーか」

 イラッとしたけどどうしようもないので、とりあえず整列。しかし、こうして並ぶと年齢の差がひでーな。こっち半分ぐらい腰曲がってるぞおい。
 そんな中、列の端にオマケよろしく並んでいる高校生2人と店長。特に店長なんか俳優も裸足で逃げ出すイケメンだから、男ばっかりとはいえ向こうの視線はこっち3人に集中。ちなみに俺ら:店長=1:9ぐらいな。俺ら集中されてないな比率に表すと。

「柳田さん、その端っこの若い子達は?」
「仲矢さんとこの息子さんと、そこでバイトしてる子達だよ」

 厳密には卓巳は関係ないけど、どうでもいいか。

「仲矢……あー、あの金物屋の」
「仲矢金物堂って有名なのか、雄人?」
「両親も滅茶苦茶美系だった。写真見たけどどっちもやべー」

 店長や仲矢が生まれるのも至極当然って感じの親御さんだった。

「もうこんなに大きくなったんだなあ。しかし、男前だな……」
「だろう?」

 何で柳田さんがドヤ顔なんだよ。あんた父じゃねーよ。しかし、男も見惚れるとは店長相変わらず尋常じゃないな。
 それを見て面白くなさそうなのが向こうの若い衆。店長と同じぐらいの年齢っぽいから、多分オッサン達の息子だと思う。物凄い店長にガン付けてくるけど、どこ吹く風の店長。店長に精神攻撃は効かないのは、俺が一番知っている。全く皮肉通じねーもん。

「雄人」
「何すか」
「球を打ったら右と左どっちに走るんだ」
「すみません教えてませんでした右です」

 ほら全然気付いてない。