コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 9 ( No.11 )
- 日時: 2011/09/27 20:36
- 名前: すずか (ID: KrNEmkft)
早速いがみ合いながらも、無事に挨拶が終わり各々自分のベンチに戻る。山加商店街組はベンチで輪を作る。仲矢が後ろにちょこんと座る。既に駅向こう組の若い衆も仲矢に気付いたようで、視線がチラチラと仲矢に向く。はははざまーみろジジババばっかりじゃねーんだよ。
「では皆さん」
どうやら音頭はいつも柳田さんらしい。まーこの人いっつもテンション高いし妥当っちゃ妥当か。後先考えない人だけど。
「ポジションくじ引きしましょう」
「あり得ない適当さ!?」
これで勝とうとしてる商店街の皆さんのポジティブさはマジすげえ!勝てる可能性0振り切ってマイナスレベルなのに!!
ぞろぞろとくじ引きをした結果、俺はファーストだった。結構重要なポジションだけど大丈夫かね。他の人に当たるよりマシなんかもしれないが。
「卓巳、お前どこよ」
「セカンド」
「ふっ、俺の後ろだな」
「どっちかっつーと隣だし今のイラッと来たから殴る。鼻を」
「鼻は止めろ!?血を見るぞ鼻血だけど!!」
高校生2人は塁を守る役に徹することに。んー、まあどうせやるなら出番多いところの方が楽しいよな。たとえコールド負けだろうと。
「店長どこでした?」
「ピッチャー」
「流石の主人公補正!?」
神様が放っておかねえなほんとにこの人は!!
でも神様、店長が野球無知って知らないんだろうな多分。初試合ノー練習でピッチャーは厳しそうだ。
「球技は得意でした?」
「割とな。狙った場所に球を投げるのは苦手じゃない」
弓道部だったからかね、コントロールには自信がありそうな店長。でも野球は知らなかったから、店長の言ってる狙った場所云々は多分バスケのシュート辺りなんだろうな。
「ふふふふ、雄人くんはまだお兄ちゃんの真骨頂を知らないね」
「ん?」
精いっぱい意地悪そうな顔をしてるけど、仲矢がやったらほんと天使だな。しかしほんわかオーラ放出し放題すぎてやばい。凄い抱きしめたいけど店長に血祭りにされる鼻血含め。
「お兄ちゃんは弓道部でもあり、更に!」
「球技でもやってたのか?」
「そんな普通のもんじゃありません!お兄ちゃんは流鏑馬も全国で名の知れた超ド級アーチャーです!!」
「流鏑馬もできるのか!?」
「できます!!」
「すげー!!」
店長半端ねー!!!すげーリアルでやってる人とか初めて見たわ!!!店長前世マジでウィリアム・テルだろ!!!
あ、流鏑馬を簡単に説明しておくなら、馬乗って走りながら的当てる弓道。大体伝わるだろ、とにかくすげーの。絶対普通の弓道より難しいだろあれ。実際見たことないけど。
しかし流鏑馬も全国ランカーか。生まれてくる時代間違えただろ店長。
「いや、でもだからといって野球ができるとは限らないんじゃね?」
「あっ」
「あ」
何かテンション上がってたけど卓巳の言う通りだわ。