コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

10 ( No.12 )
日時: 2011/10/01 21:41
名前: すずか (ID: mNBn7X7Y)

 まず投球のフォームが心配なので、店長を呼んで向こうのピッチャーの動きを見てもらう。

「店長、大体あんな感じで投げてください」
「分かった」

 とりあえず相手のピッチャーにモーションの手本を丸投げした。まあ俺や卓巳が教えるよりは多分良いだろ。俺スポーツテストでハンドボール投げ4点だったし。卓巳3点だったし。

 そんなこんなで、遂にプレイポール!

「皆さん頑張ってくださーいっ!!」
「うおおおおおおおおおっ!!!」
「やかましい!」

 卓巳に本気で鼻を殴られた。幸い鼻血は出なかったが、普通殴るか鼻。せめて肩ぐらいにしろよ。
 いや、しかし今のは力出るわ。仲矢にチアガール姿で応援されたら何でもできる気がしてくるな。まあ現実できないけどな。
 まず先攻はこっち。打者順もくじ引きだったけど、案の定店長は4番だった。店長宝くじかったら1等当たるんじゃね。

「よし、行ってくるぞ」
「ギックリ腰になるなよー」
「死ぬなよー」
「持病に気をつけろー」

 明らかに打者に送る言葉じゃねーなこれ。流石の老人会もどき。
 ヨボヨボと腰を曲げながらバットを持ってバッターボックスに立つ爺さん。確か陶器店の田中さんだったかな。

「年寄りを舐めたらいかんぞぉ!!」
「ストラーイク、バッターアウト、チェンジ」
「お?」

 もごもご言ってるうちに投げ終わられた!?鮮やかすぎる!!つーか田中さん口動かす前に手を動かせ!!

「ハハハ、あのじーさん馬鹿じゃねーの」
「体全く追いついてねーじゃん」

 向こうのベンチから嘲笑が飛んでくる。本当にむかつくけど、全部正しいから何とも言えん。
 2番の駄菓子屋村山さんも似たような感じで終了した。

「なあ、結構向こうのピッチャー上手いよな」
「俺もそう思う。田中さんも村山さんも腰曲がっててストライクゾーン滅茶苦茶狭いのに、全部ストライクに入れてる」
「良いから早く行けや」
「お前が話振ったんだろ!?」

 というわけで、3番俺。結構金属バットって重いなー。そりゃ喧嘩で使うわ、俺なら投擲するけど。

「あ、初めて若い奴が出てきた」
「でもひょろいぜ」

 やかましい。