コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 17 ( No.21 )
- 日時: 2012/02/01 23:22
- 名前: すずか (ID: qR5RLktN)
「という感じでサヨナラ勝ちした」
「お前何も活躍してねえな」
開口一番それ言うか。その通りだけど。言い返せないけど。
結局何かグダグダのうちに終了したソフトボール大会の二日後。月曜日は祝日だったので、存分に筋肉痛を堪能した。俺そんなに運動してないかな。
朝のHRが始まる前のうだうだした時間で、俺は村山にソフトボール大会の模様をダイジェストで説明していた。
名前で誰だか分かる人は記憶力が良い人。そう、商店街御一行の1人、駄菓子屋村山さんの実の息子である。
「そもそも、お前が出れば良かったんじゃねーの。俺とか卓巳よりよっぽど運動神経良いじゃんか」
「バスケ部の試合だったんだよ。それよりうまい棒買わね?5円」
「買った」
駄菓子屋の息子とあって、大量の駄菓子を常備している村山。しかもちょっと安めにクラス中に売りさばく。前に何でか聞いてみたら、賞味期限が本日付でアウトな品物を売り払いたいらしい。商才あるよな。駄菓子程度の値段だったら財布も紐も緩むし。
「つーか仲矢が来ねー」
「そうだな。いつもこの時間には来てるけど」
「今日一日俺は何を見て過ごせば良いんだ?」
「黒板見ろよ」
真っ当に突っ込まれた時、教室後ろの扉がガラガラと開いて、若干域を切らした仲矢が飛び込んできた。そのまま俺の後ろの席に座る。なんとも運の良いことに、俺と仲矢は席が前後ろなのである。今年1年分のくじ運使い切ってるかもしれん。
「せーふせーふっ!おはようっ!」
「おー、おはよう」
「おはよう。やけに遅かったけどどうしたんだ?寝坊?」
仲矢が寝坊してる姿想像したら可愛すぎてやばかったけど心の中で必死に留める。
「いやー、ちょっとトラブルがありましてですねえ」
「トラブル?制服のリボンが見つからないとか?」
「やけにピンポイントだな」
仲矢が制服のリボンをわたわたとして探してる姿想像したら以下略。
「違うんですよー。お兄ちゃんがね」
「店長がどうした?また何かやらかしたのか?」
「今度は何したんだよ新さん」
店長のいらんことしい癖は村山にまで轟いていたのか。
「今回は何もしてないよー」
今回はって付くところがもう駄目だよな。
「お兄ちゃん風邪引いちゃってね、熱が39度オーバー」
「普通にやべえな!?」
39度超えってほんとに風邪か?インフルエンザとかじゃないよな?
「それでねー、雄人くん。申し訳ないけど、今日はバイトの代わりにお兄ちゃんの看病手伝ってくれないかな。いつも通りバイト代は出すから」
「勿論良いよ、暇だし」
「ありがとー」
「雄人なら適役だな、風邪引かないし」
遠回しに馬鹿って言ってないかこいつ。
