コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

25 ( No.37 )
日時: 2011/12/10 21:33
名前: すずか (ID: 1u4Yuzgf)

「写真とかないんですか?」
「写真か……写真はないが、この時間だったらテレビを付ければどこぞの番組に出てるかもしれんな」
「何サラッと彼女が芸能人であることを暴露してるんですか!?」

 すげえ!どこでそんな人脈作ったんだよ店長!金物屋のくせに!

「え、誰ですか誰ですか!有名ですか!?」
「……相原風香」
「超大物じゃないですか!?」

 相原風香って、嘘だろそれ!?今一世を風靡してるって言われまくってるモデル兼女優じゃん!?確かに超美人だけど、しかも今時珍しい黒髪モデルだけどそこはそんなに重要なとこじゃないけど!!衝撃がすげえ!!でも何か店長だしって若干納得し始めてきた!!

「どこで知り合ってどのような経緯で今の状況に!?」
「風香お姉ちゃんは山加商店街出身だよ。公表してないけど。それで、お兄ちゃんとは幼馴染」
「ほぁあ!?」
「奇声をあげるな……頭に響く」
「あ、ごめんなさい」

 今のでちょっと落ち着いた。そういえば病人だったわ店長。
 つーか、やべえ。相原風香が地元の人だったとは。確かに地元についてははぐらかしてて不明だったな。県までしか知らなかった。こんなに出身が地元とは。

「相原ってことはもしかして『骨董品店相原』の?」
「そうだ」
「あそこの爺さんの孫か……」

 確かにあそこのお爺さんはダンディな顔をしてた。昔はもてただろうな、って思ったことがあったな前に。
 まだ衝撃冷めやらぬ感じで呆けていた時。

 ガガガガガガガガッとシャッターがとんでもない音を発し始めた。明らかに誰かが店のシャッターを蹴っている。しかも高速で。

「……今日は諦めろとメールを送ったんだが」
「え、もしかして」
「今話をしていたアイツだな」
「わぁお!?」

 空気読みすぎ!!流石女優!!

「お兄ちゃん、開けに行った方がいい?」
「……無視しろ」
「まさかの!?」
「俺はともかく、風香は風邪が移ったら色々と面倒だろう」

 おお……店長がまともなことを言ってる。これまた貴重なシーン。
 しょうがないのでしばらく居留守を決め込んでいたら、キック音が鳴り止んだ。有名女優を居留守で無視するとは、店長も大胆なことをする。

「……俺もタイミングが悪いな」
「全面的に自己責任ですけどね」
「しーんー」
「!?」

 さも当然のように居間の窓から入ってきた!!