コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

30 ( No.46 )
日時: 2011/12/29 19:15
名前: すずか (ID: gWH3Y7K0)

 そうと決まれば話が早いとばかりに、早速携帯を取り出し電話をかけ始めた相原さん。

「もしもし樋口?新が承諾したわ、ただし匿名かつ読者モデルで」
『うっひょおおおおおおおおおっ!?』
「うるさい」

 物凄く声聞こえてきたぞ今。携帯越しなのに。しかも結構距離あるのに。

「うん、そう。……ええ」

 ふんふんと頷いた後、店長の方を見る。

「3日後に撮影があるんだけど、空けてくれる?」
「分かった」
「良いって……うん。新、集合場所と時間はね」

 とんとん拍子で話が進んでいくので、若干置いていかれ気味の俺と仲矢。思わず顔を見合わせる。ああ可愛いなあ。

「食べ終わったし、お片づけしましょっか」
「是非とも!!」

 今の言い方滅茶苦茶キュンキュン来るな!『しょっか』のあたりが特に!!『ショッカー』だったらただの雑魚なのに、伸ばし棒を取って仲矢が発音するだけでこれだけイメージが違うとは、日本語ってすげーな!!いやむしろ仲矢がすげーな!!
 仲矢の可愛さに改めて感動しながら食器を洗い、棚に戻してから居間に戻ると、相原さんが帰り支度を始めていた。店長はまた眠りに落ちてた。さっきより幾分か顔色が良くなった気がするのは、相原さんのおかげなのかどうなのか。単にうどん食べただけかもしれないけど。

「あ、風香お姉ちゃん帰るのー?」
「ええ、明日は撮影が入ってるの。久しぶりにリラックスできたわ」
「それは何よりー!!家主みょーりに尽きますな!!」
「改めて可愛いわねえ美鈴保ちゃん……うーん、本当なら美鈴保ちゃんもスカウトしたいところなんだけどなー……そんなことしたら新がマジギレするわねえ」

 若干悔しそうにそう発言するも、またコロリと表情が笑顔に戻る。ヒラヒラと手を振りながら、

「じゃ、またね。雄人君もまた会いましょうねー」
「さいならーあの何で窓から出ていこうとするんですか」
「えーと、泥棒の美学?」
「泥棒だったんですか?」

 この人も大概変人だよなあ。